「都市化は富の蓄積への道」 中国科学院レポート(1)


中国科学院(科学アカデミー)はこのほど、「2005中国持続可能な発展に関する戦略報告」を出版した。報告には中国の都市化や各地域の持続可能な発展を全面的に分析し、「都市化を加速すべき」と提案している。中国科学院可持続発展戦略研究チームの首席科学者、牛文元氏はこのほど、記者の取材に応じた。

――この「報告」の内容は、都市化の加速と、都市の持続可能な発展の実現が中心だが、それはなぜか。

世界銀行は、国にとって国内総生産(GDP)1兆ドル達成は象徴的な一段階で、富の蓄積の新たな船出を意味するとしている。GDP1兆ドル突破後の10年間を見ると、米国は2兆7千億ドルに、日本は2兆4千億ドルに増加している。しかし、中国の増加は2兆ドルにとどまると予測される。これはなぜか。原因は多方面にわたるが、米国の当時の都市化率は87%、日本は65%以上だったことに注意したい。中国の2000年の都市化率は36%にすぎない。都市化率が異なれば、社会における富の集中への力も異なることは明らかだ。中国の都市化の加速は、都市としての中心的役割を発揮させ、経済効率を高めるために必須の道であり、二元的な構造(都市と農村)を捨て、公平な社会を実現するために必須の道でもある。

                      「人民網日本語版」 2005年3月3日