日本の町村信孝外相は4日、国会での答弁で、中国に歴史問題をめぐる反日教育の改善を求める考えを示し、中国外交部長と次回会談する時に具体的に言及すると述べた。
日本がこの時期に中国の愛国主義教育問題を提起するのは決して偶然ではない。今年は世界反ファシズム戦争と中国の抗日戦争勝利60周年にあたり、中国と世界各国では盛大な記念式典の開催を予定している。日本がこの時期に中国に抗日戦争の愛国主義教育を提起するのは、中国が抗日戦争勝利60周年を記念する過程において障害を設け、中国の記念活動が彼らの神経を刺激しないようにする行いにほかならない。さらに重要なことは、日本による中国の愛国主義教育に対する批判は、ここ数年来の中日関係の悪化と後退の責任を中国側になしつけようとするものだ。まさに中国の愛国主義教育が中国人の日本に対する恨みをわざと引き起こしているかのような、また中国政府が意図的に中国人の日本に対する不満を引き起こしているかのような、そんな印象を作り出したいのだろう。
たとえ日本政府の目的がどこにあろうとも、これだけは確かなことは、日本側は中国の愛国主義教育を本当には理解していないことだ。確かに、中国の愛国主義は、抗日戦争期に幾千幾万の中国人民が外来の侵略に抵抗し、日本の侵略者と英雄果敢に不屈の闘争を繰り広げた業績を含む。さらに、日本の侵略者が中国において中国の人々を大量虐殺した残虐な内容への告発も含んでいる。だが、こうした展示は事実に基づくものであり、何もでっち上げたものではない。ある国の政府が自分の国民にこうした歴史の真相を知らせることが不適当だとでも言うのか。
さらに重要なことは、中国のこうした展示と教育は、中国人民にすべての日本国民への恨みを教えるものではなく、日本を日本政府・国民と日本軍国主義とに分けて考えようとするものだ。血で血を返す歴史の復讐主義を将来の中国人民に吹聴するものではなく、人民に中華民族の寛容な美徳の発揚を教え、未来に目を向けることによって中日両国人民の友好を推進させようとするものだ。
同時に、中国の愛国主義教育では、中国における日本の侵略者による犯罪を厳しく非難するだけでなく、中国における西洋列強による犯罪も含めている。英国が中国に起こした罪深いアヘン戦争から、英仏連合軍による円明園焼き討ち、(義和団事件での)8カ国連合軍が北京で犯した犯罪、さらに帝政ロシア軍による長江下流域64村での犯罪や中国が失った大量の領土までも含めている。このため、中国の愛国主義は日本側が言うように日本の対中侵略のみ触れているわけではない。
さらに、中国の愛国主義は決して日本側が言うように中国人がある種の自虐的習慣を好んでいるものでもない。中国の愛国主義教育において、中国が近代以降に受けてきた災難の内容は、その中の一部に過ぎない。より多くの内容はやはり中華民族による悠久の歴史と文化の発揚であり、中国の大地の美しい自然への賛美であり、中華民族の歴史的発展に大きな貢献を成した英雄や偉人への賛美である。
このため、もし日本側が本当に中日両国の友好協力を推進したいのならば、自らの言論を改めて考えるべきであり、自らの行動をよく検討すべきである。これこそ両国関係発展の正しい道である。
「人民網日本語版」2005年3月9日
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