四大経済ブロックの名が出揃い
地域経済発展の青写真が完成

 

昨年と比較して見ると、今年の全国人民代表大会(全人代)の政府活動報告には中部地区の台頭に関する計画と措置が付け加えられた。これは極めて大きな変化のひとつである。

西部大開発、東北地区の旧工業基地の振興、中部地区の台頭の促進、東部地区発展の加速、四大経済ブロックの名が初めて政府活動報告の中で出揃うこととなり、地域経済発展の完ぺきな青写真が描き出された。これは、中国の地域経済発展の戦略的配置が基本的に完了したことをも意味するものである。経済発展の地域化及び地域間協力が必然的なものとなっている。

東部地区は中国経済の中心であり、技術、人材、資本、開放の度合い及び都市化レベルなどすべての面で国内でトップレベルを保っている。東部地区は中国の経済発展をけん引する「機関車」となっている、と中国社会科学院学術委員会の楊聖明委員がいう。

東部地区は自らの経済発展の持続性を高め、すでに行政区画の束縛を打破しはじめ、相互協力の重要な一歩を踏み出した。昨年、福建、江西、湖南、広東、広西、海南、四川、貴州、雲南の9つの省・自治区と香港、マカオの2つの特別行政区(「9プラス2」と略称)を含めたグレーター珠江デルタ地域協力が正式にスタートした。長江デルタ地域、江蘇、浙江、上海の間における協力も日増しに緊密化している。交通建設計画においても、産業構造の配置においても、同じ土俵で議論することがますます多くなっている。そこでは、ますます多くの場合において競争が協力に取って代わられるようになっている。

政府活動報告では、東部にとって少なくとも2つの課題がある。一、自らの発展を加速すること。二、中・西部地区を支援すること。コア技術を掌握し、国際競争力を高めることを重点とすることであり、東部地区にはこの面でのニーズがあり、それを実行する可能性もある。

楊聖明委員はまた、中部は中国で人口の密集している地域と重要な農業生産地域であり、地理的には東部と西部をつなぐ架け橋となっているため、中部台頭の促進は「東と結びついて西をけん引する」効果を発揮することができる、と語っている。中部地区台頭のポイントはいかにして東と西を結びつける地理的条件と長年蓄積してきた農業、基盤産業及び流通業などの面での優位性を利用し、全国におけるその地位を高めることにある。

西部地区はインフラ整備と生態環境保全の面で、存分に地域の優位性を発揮し、特色のある、優位性のある産業の発展を全力で推し進め、資源の総合的開発・利用と産業チェーンの延長に力を入れ、いくつかの競争力のある、特色と優位性のある産業群を育成し、工業化・都市化プロセスの加速を促すべきである。

東北地区は中華人民共和国建国以来の重要な工業基地である。現在、東北地区の原油生産量は全国の2/5、木材生産量は全国の1/2、商品食糧生産量は全国の1/3を占めている。それ以外に、自動車、鉄鋼、プラントなどの製造・生産も全国で極めて重要な地位を占めている。東北地区振興のポイントは、いかにしてこれまで蓄積してきた資源を効率的に利用して往時の輝きを取り戻すことにある。問題の本質は在来産業と技術の立ち遅れにあり、そのため、東北地区の核心的な任務は「若返り」である、と指摘されている。

                     「チャイナネット」2005年3月17日