中国国際貿易促進委員会の万季飛会長はこのほど、中国対外貿易の持続的成長に伴い、中国からの輸出製品が貿易摩擦に遭遇するケースが増加していることについて取材に応じた。
――国際貿易摩擦の増加は、現在の世界経済の発展における目立った現象だ。中国はこの方面での試練にいかに立ち向かうべきか。中国対外貿易の発展に対し、どのような展望をもつか。
現在の情勢の下、中国は国際ルールを全面的に理解し、世界貿易機関(WTO)ルールを利用し、法律に基づいて自国の合法的権益を保護することを学ぶべきであり、また貿易の公平性との観点から出発して、自国に足りない点を見据える必要がある。そのためにはまず、国内企業の自律性を強化し、企業自らの保護意識を高め、企業の長期的な発展目標をうち立てる。次に、公平で企業の発展にプラスになる貿易環境を作り、政府、仲介機関、企業が国際貿易ルールを全面的に理解し、ルールに厳格に基づいて行動することが必要だ。また、不合理な差別的貿易行為に対し、積極的かつ主体的に反撃することが必要だ。貿易保護主義のほか、輸出相手国の利益集団が現地政府の政策に与える影響や、一部国家が引き続き中国を「非市場経済国」と見なして採用する差別的政策などは、いずれも中国が真剣に研究し解決していかなければならない問題だ。
対外貿易発展の将来像は、国内経済の発展状況や政治情勢、世界全体の貿易環境と密接に関連する。中国の国民経済が持続的で急速かつ健全に発展するという前提の上で、投資環境の一層の改善や産業構造の調整、中国製品の質の高さによる勝利、市場多様化戦略の徹底実施などに伴い、今後の中国対外貿易は引き続き急速成長を維持するとみられる。
現在の中国はすでに世界3位の貿易大国に成長したが、世界の貿易強国に躍進するには、なお長い道のりがある。現在、中国の対外輸出には独自の知的財産権を持つコア技術や独自の輸出ブランド、営業販売ルートが不足しており、国際的分業システムの中ではローエンドに位置し、輸出企業は規模が小さく海外での経営力が低い。こうした要因はすべて、中国対外貿易の総合的な競争力の低さを招いている。今後一定の期間、中国対外貿易は輸出の成長モデルを急速に転換させ、独自の知的財産権やブランドを備えた商品の輸出を支持し育成するとともに、輸出商品の付加価値を高めることが必要になる。また対策を講じて有力企業の国際市場における中・高級製品競争への参入を指導する必要がある。こうしなければ、中国の対外貿易を大きく強くすることはできない。
「人民網日本語版」 2005年3月29日
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