鉄鋼メーカー、国際鉄鉱石価格の大幅上昇に対応

 

鉄鉱石の輸入価格が4月1日から71.5%と大幅に引き上げられたため、今後1年、国内鉄鋼メーカーは厳しい経営に直面せざるを得ない。これを受けて国務院は、鉄鋼への過熱投資を抑制し、鉄鉱石の国際価格の大幅上昇に対応するよう通達を出した。

温家宝総理は先週開かれた国務院常務会議で、鉄鋼業の「第11次5カ年計画」(06〜2010年)について言及した際、「鉄鋼業に対しては発展に向けたマクロ調整をより円滑に進めるとともに、より直接的、より有力な措置を講じて、鉄鉱石の国際価格の大幅上昇に対応しなければならない」と強調した。

具体的措置とは(1)鉄鋼製品の輸出を厳格に抑制する(2)鉄鉱石の輸入の管理を強化する(3)鉄鉱石の経営秩序を整備し適正化するとともに、固定資産投資への過当な増加を厳格に抑制する(4)とくに不動産と都市建設の規模を抑制する――を通じて鉄鋼原材料の過剰な需要を抑えるというもの。

日本の鉄鋼メーカーは2月23日、鉄鉱石企業世界最大手3社と交渉を行い、価格を71.5%引き上げることで合意。この3社だけで全世界の鉄鉱石の80%を超えるシェアを握っている。

宝山鋼鉄も3社と厳しい価格交渉に臨んだが、最終的に71.5%の引き上げ幅を呑み込まざるを得なかった。アジアでの鉄鉱石の上昇幅としては過去最高。世界最大の鉄鋼輸出入国である中国にとってはまさに“災難的”な価格で、多くの鉄鋼メーカーは難しい経営にさらされるだろう。

これより前、一部業者は時差を利用して大量に駆け込み輸入しようとしたが、沿岸部では一部の港湾で買いだめした鉄鉱石が陸揚げされないまま。

現在、鉄鋼の過熱抑制措置は徐々に実施されつつある。国務院は数日前、鉄鋼製品の輸出や生産能力の無計画な拡大を抑制するため、インゴッドなどの製品を対象に実施してきた輸出還付税を取り消す決定をした。

だが専門家は、非尋常な状況が国内メーカーに与える影響は限定的だと話す。中国鋼鉄工業協会の威向東副秘書長は「交渉で確定された鉄鉱石価格は、長期供給協定に基づく輸入価格であり、その輸入量は輸入全体の約3分の1だ。その他の鉄鉱石は昨年すでに値上げされているため、さらに上昇する余地はない。全ての輸入鉄鉱石が71.5%引き上げられたわけではない」と指摘し、鉄鋼メーカーに対し冷静に対応するよう求めた。

                         「チャイナネット」2005年4月4日