浙江省寧波地区慈渓市の民間企業・天竜模具有限公司に勤務し、数多くのプロジェクトや技術開発に貢献した日本人にこのほど、市政府から3万元の補助金が支給された。同市は招聘した人材を対象に経費の一部を補助する政策を実施しているが、外国人に支給したのはこれが初めて。
最も早く外国人専門家招聘策を打ち出した慈渓市では現在、約50社の民間企業が欧米や東南アジアなどから200人余りの人材を採用。大多数が比較的開放された電機・機械や小規模家電などの業界大手企業で営業、製品設計といった分野で能力を発揮している。
専門家による先進技術と営業ノウハウで、国際ブランド確立に近づいた企業も少なくない。偉特電子有限公司は日本やシンガポール、マレーシアなどから相次いで8人を招聘。現在はカラーテレビや通信、ネットワーク、コンピューター用のチューナーを松下や東芝、サムスン、フィリップなど著名企業10数社にOEM(相手先ブランドによる生産)提供している。
多くの企業は膨大な経費を惜しむことなく、外国から人材を招聘している。波導有限公司は国際人材プログラムを立ち上げて日本や韓国、フランスなどから30名の専門家を採用し、重要な実験室や生産ラインごとに1名ずつ配置。奥克斯空調公司も年俸100万元(1元や約13円)で2人の日本人を高級技術顧問、品質総合管理者として招聘した。
業界関係者は「寧波地区では多くの企業でオートメーション化が進んでおり、それに伴い技術者への要求も高まっており、国内の高級技術者不足も深刻化しつつある。企業を発展させたいと、民間企業は技術的ネックを早急に解決し国際市場に参入するため、出血を惜しまず外国から専門家を招聘している」と説明する。
だが、外国人専門家を競うように招聘しているとはいえ、民間企業側は、招聘した外国人がその土地の水に合わず、収益をもたらすことができないと分かれば、遠慮なく解雇する、という冷静さは失ってはいない。こうした例はすでにある。
「チャイナネット」2005年4月5日
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