中国で、外資系企業の独資(外資100%)企業化の傾向が進んでいる。独資での企業設立、合弁企業の中国側株主の株式を取得する形での独資化実現、国有企業の買収による独資実現などを行う海外企業が増えている。中国で2003年に設立された外資系独資企業は2万6943社で、三資企業(合弁・合作・独資を含む外資系企業)総数の65.59%を占めた。実行ベース外資導入額は333億8400万ドル(全体の62.39%)だった。昨年1〜11月の統計によると、合弁企業設立件数は1万289社(同26%)、実行ベース外資導入額は157億ドル(同27%)。独資企業設立件数は2万7746社(同70%)、実行ベース外資導入額は389億ドル(同70%)。
外資系企業の独資化は、ある程度必然的なことだ。第一に、このことは中国の対外開放政策が経済のグローバル化に一層適応し、海外企業にとって魅力が高まっていることを示している。第二に、多国籍企業の対中投資戦略の変化を反映している。現在、中国に生産基地を設立し、世界市場に進出する多国籍企業がますます増えている。世界的な経営の一体化という戦略目標の実現のため、企業の統合や資源分配が世界範囲で加速しており、多国籍企業はそのために独資という手法を多く取っている。第三に、一般企業の発展の規則に合うことだ。現在、世界の多国籍企業の投資は、基本的に独資による。
外資系企業の独資化の影響は主に、次の4点にみられる。
(1)中国が進める外資導入による戦略目標の実現に一部影響するおそれがある。中国は従来、「市場をもって技術に換える(中国市場における営業ルートの提供と、見返りとしての外資からの技術導入)」などにより、主に海外企業との合弁により、企業の国際競争力強化という戦略目標を実現してきた。外資系企業の独資化は、こうした目標にとって不利な影響をもたらすだろう。
(2)独占状態が形成されやすく、国内産業の発展に影響する。この点は、中国がまだ国際競争力を持たないハイテク産業で顕著だ。この分野では大部分で海外企業のコア技術や技術基の使用により、海外企業にとって独占状態を作りやすい。
(3)外資によるコントロールが容易になり、中国側の経済コントロール能力に影響するおそれがある。
(4)独資化後の人事再調整により、中国側人員の雇用が圧迫されるおそれがある。
「人民網日本語版」 2005年4月18日
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