ドル金利引き上げが人民元切り上げ
圧力を緩和 中国人民銀行

 

中国人民銀行(中央銀行)がこのほど、レポートを発表し、米ドル金利の引き上げは遊休資本が米国に流れこむことにプラスとなっており、外国為替市場におけるドル高をもたらすことになる。これはある度合いにおいて人民元切り上げ圧力を緩和することとなった、という見方を示した。

今年第1四半期、米連邦準備理事会(FRB)は政策金利を2回続けて25ベーシス・ポイント引き上げ、これで米国のフェデラルファンド(FF)金利、割引レートはそれぞれ2.75%、3.75%まで上昇した。

中央銀行のは『2005年第1四半期の銀行間外国為替市場動向分析』レポートでは、第1四半期において中国国内の経済は着実な伸びを保っており、輸出の伸び率は輸入の伸び率を上回り、外国貿易は続けて黒字となり、外資流入ペースはいくらか鈍化し、外国為替管理はさらに改善され、人民元の対ドル交換レートは安定を保っている、としている。

中央銀行筋は、人民元為替相場の問題について、中国政府の立場は明確で一貫している。今年に入って以来、中国政府は何度も公的に人民元相場についての原則的立場を重ねて表明し、つまり積極的かつ穏健な人民元為替相場の形成メカニズムの改革を推し進め、人民元為替相場の合理的で、バランスの取れたレベルでの基本的な安定を維持することである。

一方、中国の国際収支の均衡を保ち、人民元為替相場の安定を保つため、今年第1四半期に、外国為替管理部門は相前後してさまざまな措置を講じ、例えば、国内の外資系銀行の短期外債管理を強化・改善し、個人財産の外国への移転・外国に対する支払いへの監督・管理をさらに強化した。これらの措置は、貿易・投資に利便性を提供し、短期資本の流入及び外貨決済への管理を強化することにプラスとなっている。

分析によると、昨年から中国の輸入の増幅は次第に縮小し、年初の2カ月間は輸出が急速な伸びを保っていたが、輸入の伸び率は大幅に下落し、対外依存度のかなり高い国として、中国の輸入の伸び率の大幅な低下は国内の生産活動を鈍化させ、ある度合いにおいて経済の過熱ぶりは徐々に改善されるようになったと言えよう。 

それ以外に、外資流入のペースがいくらか落ちており、中国の2月の契約ベース外資導入額及び新規認可外国業者投資企業数も前年同期比で減少が見られ、政府のマクロ経済調整措置の効果が次第に現れたことを物語っている。 

中央銀行の統計データでは、昨年第4四半期と比較して今年第1四半期の銀行間外国為替市場の一日当たりの外貨供給量は減少したが、需要が大幅に増加しているため、供給の需要を上回る差額には縮小傾向が見られる。

                       「チャイナネット」2005年4月21日