唐家セン氏「中日関係は歴史的課題に直面」

 

唐家セン国務委員はこのほど訪中した日本・共同通信社の山内豊彦社長と会見し、中国政府の対日政策について詳しく語った。主な内容は次のとおり。

胡錦濤国家主席と温家宝国務院総理が昨年、小泉純一郎首相と会談した時に強調したのは、われわれは中日両国の平和共存、世代を超えた友好、互恵協力、共同発展を望んでいるということだ。こうした方針と政策に基づき、中国側は日本が繁栄と発展を保ち、日本が国際社会でさらに大きな役割を果たしたいと願う気持ちを理解する。温総理は今年の全国人民代表大会閉会時の記者会見で、中日関係を改善、発展させる「3つの原則」と「3つの提案」を示して、日本側に明確なメッセージを伝えた。すなわち、「歴史を鑑(かがみ)として未来に向かう」を基礎として、日本との協力を強化して共同発展を図るということである。

私がどうしても指摘しなければならないのは、中日関係の現実と将来性との間に大きな相違点があり、情勢は複雑で、厳しく、その上今なお発展しているということである。中日関係が終始直面している2大問題、すなわち中日両国の政治的基礎にかかわる歴史と台湾の問題が、依然として両国関係の健全かつ安定した発展を大きく阻害している。領土と海洋の権益争いが際立っている。国民感情は日増しに悪化の傾向だ。これらはいずれも両国の協力強化を阻んでブレーキをかけ、中日関係を悪化に向かわせる可能性がある。中日関係は何を捨て何を取るかの歴史的課題に直面しており、まさに十字路に立っている。

今年は中国人民の抗日戦争勝利60周年で、中日関係は歴史的課題に直面しているだけでなく、改善のチャンスにも直面している。中国政府は中日関係を改善、発展させる決心と誠意がある。しかし中日関係の改善と発展も日本政府が善意と誠意を示すことが必要で、双方が互いに動くことが必要だ。中日両国は互いに隣国である。歴史がすでに証明しているとおり、中日両国は「合則両利、闘則倶傷」(協力すれば互いにメリットがあり、争えばお互いが傷つく)のだ。われわれは日本の有識者が今日の中日関係が容易ならざる状態であることを深く認識してほしいと思う。双方が中日友好の大局を終始堅持すべきで、相手をライバルではなく協力パートナーであると心から見なすべきである。双方は両国間に存在する問題を適切に処理するべきであり、絶えず協力を深め、共通の利益を広げ、共にアジア・太平洋地域および世界の平和と発展を促進するべきである。

                  「人民網日本語版」2005年4月20日