中国とフィリピン、戦略的パートナーシップを構築へ

 

胡錦濤国家主席は27日午前、フィリピンのアロヨ大統領と大統領府で会談し、平和と発展の戦略的パートナーシップの構築に尽力することで合意した。

胡主席はこの中で、両国関係の発展を促すために次の7項目を提案した。

(1)両国が緊密に協力し、国交樹立30周年の祝賀活動として計画した政府・議会・軍隊・与党間の相互訪問を実現する。

(2)経済貿易協力の新たな進展を促し、2010年までに2国間貿易額を300億ドルにする目標の実現に努める。中国は交雑水稲とトウモロコシなどでの対フィリピン農業協力プロジェクトを実施する。鉄道などフィリピンのインフラ整備に引き続き積極的に参加し、できる限り資金調達の便宜を図る。協力体制を構築し、鉱物資源の開発協力を両国経済貿易協力の新たな支柱とする。

(3)引き続き緊密な協力を行い、南中国海の一部海域における中国・フィリピン・ベトナムの石油会社による合同海底地質調査(地震探査)事業をめぐる合意の早期実施に努める。

(4)先に成立した両国間の安全保障協議制度を十分に活用し、同分野における協力の実質的進展を促す。違法薬物と国際犯罪の取締りにおける効果的な協力をさらに強化する。

(5)各レベルの交流を強化し、両国の地方自治体間の友好関係樹立を歓迎する。中国国民のフィリピンへの観光・商務による渡航を引き続き奨励する。両国の青年100人による相互訪問を年内に実施する。

(6)中国・東南アジア諸国連合(ASEAN)関係のさらなる発展を促す。引き続きASEAN共同体の構築や統合プロセスを支持し、中国・ASEAN自由貿易区の設置を推進する。

(7)先のアジア・アフリカ会議(バンドン会議)首脳会議で得た共通認識を共同で実行し、国連・世界貿易機関(WTO)・アジア太平洋経済協力機構(APEC)など国際会議の場における両国の協調と連携を引き続き強化し、発展途上国の正当な権利を共同で守る。

アロヨ大統領は「中国の発展は、地域と世界の平和・発展へのプラスの要素であり、フィリピンと中国が平和・発展に注力するための戦略的パートナーシップを樹立することは、フィリピン政府にとって重要な選択になる」というフィリピン政府の考えを伝えた。

                      「人民網日本語版」2005年4月28日