中国国家民族事務委員会筋によると、近年、中国は民間に散逸している30万種類の少数民族古典(図書館やお寺に収蔵されている古典を除く)を応急整理し、そのなかには、この世にただ一部しかないといわれる書籍や珍本、善本(学術的価値のある古書・写本)がたくさん含まれており、また5000余の古典を出版することにもなっている。
20年来、中国は消失の危険に瀕している大量の少数民族の古典に対し、応急保護の措置をとり、収集・整理する種類から見れば、@結縄記事、語りと歌を主とする吟詠、碑銘、石刻 A貝葉経典、竹簡・木簡、帛書、ばらばらになっているもの、糸とじ古書 B経典、史書、文学、哲学、天文、地理、医薬、仏教、工芸、美術関連の古典 C契丹(スキタイ)文、女真(ジョシン)文、吐蕃(トバン)文、西夏(セイカ)文、和田(ホータン)文、察合台(チャガタイ)文から現行の諸少数民族古典に至るまで、内容が豊富であり、あらゆる分野を網羅している。収集された少数民族の古典版本には刻本、刊本、写本があり、その中には、この世に一つしかないといわれる書物、珍本、善本は文物と歴史、学術と資料および芸術的代表性の面でより高い地位を占めている。
学術的価値があり、重要な影響力のある少数民族の古典が次々と出版され、そのなかの代表的なものはもちろん、中国の少数民族の三大英雄史詩、つまり、蒙古族の『江格爾(ジャンガル)』、キルギス族の『瑪納斯(マナス)』および世界で最長のチベット族の史詩、著名な『ホーマー史詩』と比肩しうる『格薩爾(ガサル)王伝』である。
「チャイナネット」 2005/05/30
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