「人類の調和と発展」をテーマにした「2005年ノーベル賞受賞者北京フォーラム」が30日に開幕し、曽培炎副総理が開幕式で基調演説を行った。曽副総理は演説の中で次のように述べた。
中国の発展は世界に重要なチャンスを創造しただけでなく、経済理論の研究に貴重な実践の例証を提供した。ノーベル賞受賞者とここに参加した経済学者が、中国の発展の実践にさらに注目し、内外の経済学界の交流と意思疎通を強化し、中国の改革開放と現代化に智恵を授けてほしい。
社会主義的な調和ある社会の構築は、中国が小康(いくらかゆとりのある)社会の全面的構築という全局に立って決定した、重要な戦略課題だ。その中心的内容は、民主と法治、公平と正義、誠実・信頼と友愛、活力の充満、安定と秩序、人と自然の調和――のある社会構築へ努力しなければならないということだ。その主な目標は、各方面のプラス要素を存分に活用し、社会構造の変動プロセスにおける利害関係と社会的矛盾の適切な調整を進め、中国の発展と改革のため、長期的かつ安定的な社会環境を創造することだ。このためにわれわれは、次の事業を当面重点的に進めていく。
(1)経済発展と雇用増加
経済建設中心の方針を堅持し、経済成長モデルの転換を加速し、経済構造を積極的に調整することで、経済の長期的、安定的かつ比較的速い成長を促す。さまざまな資本形態の経済体や、労働集約型産業、中小企業、柔軟な就業方式の発展に力を入れ、より多くの労働力を就業させる。
(2)人間の全面的発展の促進
人材育成への投資を積極的に増やし、人々の思想や道徳、科学文化、身体、健康にわたる資質を高め続ける。労働・知識・人材・創造性を尊重する方針を全面的に貫徹し、自主開発をさらに奨励し、知的財産権を保護し、投資と起業をサポートする。
(3)都市と農村、地域の発展を総合的に計画
発展による成果と恩恵を全人民に広げることは、調和ある社会を構築する上で必然的なニーズだ。われわれは、かつて農業に支えられた工業が今度は農業を支え、都市が農村をサポートするという方針を実行していく。引き続き西部大開発を推進し、東北地区などの旧工業基地を振興し、貧困地区の発展加速を促進する。社会的弱者を援助し、社会的公平を積極的に促進する。
(4)社会事業の発展に尽力
現代的な国民教育システム、公衆衛生システム、社会保障システムの構築を加速する。環境保護と生態環境整備を強化する。社会管理システムを整備し、公共サービスのレベルを高める。
(5)社会主義民主法制の構築を強化
民主的制度をさらに整え、民主の形を増やし、国民の秩序ある政治参加を拡大し、国民の合法的権利を保障する。法に基づいた行政を進め、社会主義法治国家を建設する。
「人民網日本語版」 2005年5月31日
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