第6回アジア欧州会議(ASEM)財務相会議が16日、天津で始まった。開会式でスピーチした温家宝総理は、ASEMの財政金融協力の深化に向け、次の5つの提案を行った。
(1)マクロ経済政策の対話と連携の強化:ASEM各国は共に努力し、責任あるマクロ経済政策を講じ、主要準備通貨間のレートの安定を守り、原油価格の大幅な変動を抑え、さまざまな形の貿易保護主義を防ぎ、世界経済の持続的・安定的発展を促さなければならない。中国政府は経済と金融の安全を守るため、ASEM財務相会議の枠組みで経済・金融の突発事態に対処するための緊急対話システムを構築することを提案する。
(2)発展経験の交流拡大:発展路線と発展戦略の踏み込んだ検討を展開し、地域経済の統合における経験の交流を強化し、開放した環境における国のマクロコントロールと構造調整の実施成功例を互いに参考にする。中国と英国は今年後半、ASEM財務相会合の枠組みで「財政政策と公共債務フォーラム」を共催する。ASEM各国の財政・金融関係者がふるって参加することを歓迎する。
(3)財政・金融をめぐる実質的な協力の深化:ASEMの財政金融協力を積極的に模索・推進する。アジア地域の債券市場を発展させ、国際金融の安定と発展においてユーロが相応の役割を発揮することを支持する。ASEM地域における国際通貨金融の位置付けを高める。ASEMの非発展加盟国の財政金融改革の支援で、ASEM信託基金が積極的役割を発揮する。
(4)技術援助と財政・金融に関する能力開発の強化:ASEM各国の発展レベルの不均衡は、技術援助の積極的な実施、地域の貧困国への支援拡大、国連「ミレニアム開発目標」の実現推進を必要としている。中国と欧州連合(EU)、オーストリアはASEM財政金融に関する能力開発プロジェクトを共同で立ち上げ、上海国家会計学院を実施対象に指定した。
(5)互恵・利益共有の国際経済協力環境の構築:ASEM各国が協調・連携することで、国際社会が広範な発展途上国の利益により関心を持つよう働きかけ、債務の適度な減免、発展援助の増加、技術移転の推進を促さなければならない。また、国際金融貿易体制の改革を促し、世界貿易機関(WTO)ドーハ・ラウンドの早期終了を促し、国際的な発展の理念革新を提唱し、好ましい国際経済の新秩序の構築に努めなければならない。
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