中国、電力不足緩和に努力

 

国民経済の持続的かつ急速な発展に伴い、中国の電力供給不足がここ数年更に深刻化してきました。今年の夏、大部分の地区が、電力不足の状態に陥っています。このため、各地では、電力供給不足を緩和させる様々な措置を講じて、住民の生活用電力の確保をベースに、社会の各項目の電力需要を保障しています。

今年の第1四半期、中国の26の省では、電力供給不足のため、電力使用制限の措置を取りました。6月下旬に入ってから、多くの地方では、高温の天候が続き、クーラーの使用電力が絶えず増加しました。例えば、北京では、クーラー使用電力がはすでに、電気使用総量の40%近くを占めるようになり、電力不足の問題を一層深刻化させています。中国国家電力網公司によりますと、今年の夏、全国の電力供給量は2500万キロワットアワー不足となる見込みです。電力不足を緩和させ、電力供給を確保するため、各地では、それぞれ様々な措置を講じました。

北京電力公司の謝志国スポークスマンは「去年の9月から、今年の夏季の電力ピーク期を迎えるための送電網改造プロジェクトを計画した」と語って、更に「我々は20億元余りの資金を調達して、電力インフラ施設の改造を行なった。この改造プロジェクトはすでに6月30日前に竣工し、今年の夏の電力ピーク期にその役割を十分に発揮している」と述べました。

謝志国スポークスマンの話によりますと、北京電力公司は合わせて、70件の電力設備改造プロジェクトを実施し、あわせて160キロ余りにも及ぶ送電線を改造し、一部の地区の設備不全や電力供給不足の問題を解決しました。準備を十分に整えたことで、今月6日、北京市の電力負荷量が1000万キロワットアワーを突破した時も、送電停止などの問題も出なかったとのことです。

北京のほか、中国のその他の関係方面や地方でも、夏季の電力ピーク期を迎えるため、準備に万全を尽くしました。今年の上半期、国家電力網公司は長さ5000キロに及ぶ高品質の電力輸送線を建設し、電力輸送力を強化しました。このほか、中国西北電網と華中電網はその電力ネットワークを構築し、より広範囲の電力資源の最適化のための条件をつくりました。

電力供給を保障するため、各地においても、一つの理念を守っています。つまり、住民の生活用電力を優先的に保障することです。このため、各地では、電力需給に対する管理を強化し、一部の電量使用量の多い企業が交替に休日を取る方式で住民用電力を保障しています。これについて、天津電力公司の責任者薛錦さんは「電力の使用を出来るだけ制限せず、住民と重要ユーザーの電力使用を確保するため、電力ピーク期の調達規則を制定しました。この規則は3万社に上る工業企業を対象にしており、これらの企業と契約書をかわした。」と述べました。

長時間にわたって生産を停止できない一部の重要な企業は電力ピークの時間帯をさけて、生産を保障しています。つまり夜中の生活用電力の消費が減少するときに操業しているということです。こうしたやり方で電力の供給不足はある程度緩和させました。

電力専門家によりますと、今年から中国各地では、ここ数年間に施行してきた発電プロジェクトが続々と運行に入ることになり、これによって、中国の電力不足は緩和されるとのことです。

                           「CRI」より 2005/07/18