盛夏の北京で「世界漢語大会」が開かれ、世界各国の政府関係者や、中国語(ここでは漢語=漢族の言葉=を指す)の教育と研究に携わる人々を迎えている。今回の大会は世界の中国語教育界、ひいては中国と外国の交流史における盛大な集まりである。中国語の魅力を世界に示すよい機会であり、世界各国の人々に学ぶ絶好の機会でもある。
経済のグローバル化の進展と、中国経済の持続的な急成長に伴い、世界各国の中国語学習へのニーズも急速に伸びている。この需要は学術界や教育の分野から、政府・民間レベルまで広がり、中国語学習ブームになっている。世界漢語大会はまさに、全世界的に加熱し続ける漢語ブームのニーズに応える形で開かれた。文化交流の場を設け、世界の中国語教育を発展させ、中国語文化の伝播を推し進め、中国語をさらに勢い良く世界に羽ばたかせる目的だ。
歴史が示す通り、言語は国際交流の一つの道具であり、その位置付けは固定したものではなく、言語に代表される文化や、こうした文化が人類の社会や生活に与える影響によって左右される。改革開放以来、中国経済は急成長を続け、世界とのつながりは日に日に広がっている。中国人の日常生活と世界各国の人々のつながりもますます密接になり、中国語の実用的な価値と潜在価値も絶え間なく向上している。中国語を母語とする中国には、言語文化の質の高い教育資源を提供し、世界各地の中国語学習者がより迅速かつ十分に中国語を身に付けられるような措置を、より積極的に打ち出していく義務と責任がある。
今回の世界漢語大会の主題は「世界の多元文化の枠組みにおける中国語の発展」。つまり、中国語の普及を、世界の文化的多様性を維持する上での有機的な要素にしていくという意味だ。生態系の均衡を保つために生物の多様性が欠かせないように、文化の多様性は人類に欠かせない。経済のグローバル化が進むほど、文化の多様性を維持し、それぞれの民族と国家の文化の発展を進めることが必要になる。
漢代の著名な学者、楊雄(前53〜後18年)は、「言葉は心の声、書は心の絵である」と説いた。中国語はまさに詩のような言葉であり、漢字は絵のような文字である。中国語の音には四つの声調や平仄(ひょうそく)といった特徴があるなど、中国語の詩文は非常に味わいが深い。物の形や意味をかたどっている漢字には、自然になじみやすいという特徴があり、書道家は胸中に浮かんだ感情をそのまま紙上に写す。
研究によると、こうした漢字の字形的特徴は、現代の科学技術に特に適しており、コンピューター言語としてより理想的だという。中国語はまさに、文化的多様性という魅力や、持続可能な発展への潜在能力を日ごとに顕わにしている。
中国は世界と切り離すことができず、世界も中国から離れられない。中国が世界からよりよく理解されるには、中国語が世界への歩みを速めることが必要だ。
「人民網日本語版」 2005年7月22日
|