友好史も関係の手本 遣唐使シンポで人民日報社社長

 

人民日報社と日本の朝日新聞社の主催による「中日文化交流シンポジウムーー井真成墓誌と遣唐使文化」(日本側テーマ:東アジアの文化交流を考える)が29日、東京で開かれた。人民日報社の王晨社長、朝日新聞社の秋山耿太郎社長、中国の王毅駐日大使、国務院新聞弁公室の蔡名照副主任らをはじめ、中日両国の文化人、史学関係者、マスコミ関係者ら700人余りが出席した。

2004年10月、唐代の日本人留学生・井真成の墓誌が中国・西安市で出土した。墓誌には次のように記されている。

唐開元年間(713〜741年)、井真成は中国を訪れ、勉学に励み、唐王朝から厚遇され、死後は「尚衣奉御」の官職を送られた。

同墓誌には中日両国の友好交流史が刻まれており、中日両国の人々の強い興味と幅広い注目を呼んでいる。井真成墓誌は今年5月に愛知万博で公開された後、7月20日からは東京国立博物館の特別展「遣唐使と唐の美術展」に出展され、同展の見どころとなっている。

シンポジウムのあいさつで、王社長、秋山社長、王大使はそれぞれ次のように述べた。

▽王社長

遣唐使」という言葉は、中国語・日本語の意味や書き方が同じで、発音も似ており、両国の人々の間ですでに1300年余りにわたり使われている。井真成墓誌は中国で初めて発見された唐代日本人留学生の墓誌であり、出土から1年も経たぬ間に中日両国の人々による友好交流の新たな美談となった。井真成墓誌について話し合うのは意義あることだ。「歴史を鑑(かがみ)とし、未来に向かう」ことを堅持するにあたり、痛ましい戦争の歴史を鑑にすると同時に、かつて長きにわたり存在した中日両国の人々による友好共存の歴史の中から、そして井真成や遣唐使などの歴史の中からも深い啓発を受け、双方のより広い分野での交流と協力、さらなる民間往来の強化、相互理解の促進、共通の利益の拡大、中日関係の健全かつ安定的な前向きな発展を図る必要がある。

▽秋山社長

井真成墓誌の発見が伝えられた後、朝日新聞は多数の報道を行い、日本国内で大きな反響を呼んだ。今年は第2次世界大戦の終結60周年にあたる。このような特別な年に長期的な友好関係を保っている人民日報社と共にシンポジウムを開催することには深い意義がある。

▽王大使

シンポジウムの開催をお祝いする。井真成墓誌は中日両国の友好交流史を裏付ける証拠であり、中日両国の人々による長い友好の縮図でもある。今、人類史はすでに21世紀に入り、グローバリゼーションや情報化が日に日に進みつつある。中日関係をめぐる内的、外的環境にも大きな変化が起きている。われわれは「歴史を鑑とし、未来に向かう」という精神に基づき、2千年余りにわたる中日交流史から有益な経験を総括し、広く深い東方文化の中から豊富な栄養分を吸収し、深い教訓を心に銘記し、当面の困難を克服し、中日関係が早く健全な発展の軌道に戻るよう促していくべきだ。

                        「人民網日本語版」2005年8月1日