我が国の亜海水淡水化技術、大きく進展

 

先ごろ、国家海洋局杭州水処理技術研究開発センターは、珠江の河口に処理量10万t/日の亜海水淡水化システムプラントを建設する契約を広東の製紙会社と締結した。淡水化コストは水道水価格と基本的に同じで、これは我が国の亜海水淡水化技術が国際レベルに達したことを意味している。

国家海洋局杭州水処理センター弁公室の朱淑飛主任は、「亜海水とは俗称で、国際学術界では一般に苦カン水と称している。その塩分含有量は1‰と海水の3%より低い。塩分含有量が低いのでその淡水化コストは海水より低廉である。淡水化により1tの海水から得られる淡水は359〜400kgであるが、亜海水からは750kg前後の淡水を確保することができる。杭州水処理センターの現有技術レベルでは、海水淡水化のコストは5元程度かかるが、亜海水淡水化コストは2元程度で、当該地水道水コストと基本的に同じである」と説明している。

この亜海水淡水化システムプラントは杭州水処理センターが自己開発した全膜法技術を採用している。全膜法とは、カン水脱塩の全過程で逆浸透膜濾過を使用する技術を指し、この種の技術は国際的にも最先端の技術である。加工技術過程の最適化により、生産規模の拡大、亜海水淡水化コストの低減を実現させることができる。現在、世界最大規模の亜海水淡水化プラントの一日当り処理能力は38万tであるが、珠江の河口で建設されるこのシステムプラントにより、我が国の亜海水淡水化単項目工事は10万t級の規模を突破し、国際的大規模基準に到達することになる。

説明によると、我が国における亜海水淡水化技術は、広範に応用される明るい前途が開けている。東部沿海地区では、地下水の過剰取水によって海水が逆流しており、河口付近の貯水池の汽水、河川が海に流入する河口の汽水はもちろん、西部地区の苦カン水に対しても亜海水淡水化技術を適用することができる。2003年度から浙江省水利庁と国家海洋局杭州水処理センターが合作し、浙江で海浜汽水の淡水化テスト実施を開始している。2004年度には杭州水処理センターが海島である浙江省玉環県に我が国初の日産5000t亜海水淡水化プラントを建設しているが、これは淡水化後の水価格が水道水と同じ程度であるばかりではなく、水質も国家衛生基準に符合している。

                       「チャイナネット」2005/08/02