日本の青年ボランティア、中国各地で活躍(3)

 

中国の東北地方や西部では、日本語教育や医療の現場で日本の青年ボランティア――青年海外協力隊の隊員がいつも活躍している。一定の専門技術を持ち、志望して隊員になった人々だ。年齢は20〜39歳で、日本の国際協力機構(JICA)によって世界各地に派遣される。中国での派遣先は、経済が比較的立ち後れた遠隔地がほとんどだ。任期の2年間、現地の人々と共に生活し、言語教育や技術指導などの活動を行う。言葉や生活環境などの面で問題にぶつかっても、隊員らは楽観的にかまえ、落ち着いた気持ちで以前とはまるきり異なる生活を送っている。人民網はこのほど、こうした日本の青年ボランティアを取材し、現地での生活や、活動への感想をきいた。

松浦志保さん(女性)

四川省涼山州西昌市涼山民族中学で音楽教師を担当。任期は2005年4月〜2007年4月。涼山民族中学は1990年に創立した全日制の学校で、少数民族のイ族が生徒の80%を占める。全州の国家級貧困地区を含む17県から生徒が集まる。松浦さんは高1の音楽の授業と音楽特進クラスの授業を担当する。音楽特進クラスの生徒は6人で、音大進学を志望する生徒が中心だが、松浦さんの授業は昼休み時間のみ。生徒は朝6時起床、夜10時すぎの就寝で、一日中が勉強時間だ。休憩は昼休みの2時間だけで、松浦さんら教員の休憩時間は基本的に生徒と同じだが、松浦さんは昼休みを使って音楽特進クラスの6人のために授業を行う。生徒も教師も大変だ。

辻智子さん(女性)

四川省徳昌県中医医院に看護師として勤務。任期は2004年7月〜2006年7月。辻さんは、派遣先の病院で生まれて初めて蚊帳を使ったという。普段は他の中国人職員と同じように患者の治療に携わり、時間があるときは、日本での看護ノウハウを同僚に紹介する。辻さんは、「病室がとても小さいのに、何台もベッドを置かなくてはならない。面会時間を制限しないため、病室は四六時中患者の家族だらけで、ごちゃごちゃしている」と話す。一方で「看護の仕事は全世界どこでも同じで、とにかくきちんと仕事することが必要」と話す。

資料提供:日本青年海外協力隊

<青年海外協力隊>

日本外務省所管の特殊法人として1974年に発足した国際協力機構(JICA、現在は独立行政法人)内部の組織。JICAが実施する政府事業に従事する。1965年の設立以来、青年ボランティア2万人以上を発展途上国に派遣した。中国への派遣は1986年、東北地方から開始し、その後西北地方へと拡大した。

                      「人民網日本語版」2005年8月3日