人民銀トップ、通貨バスケットの選択基準を説明

 

中国は今年7月21日から、市場の需給を基礎とし、通貨バスケットを参考に調節を行う、管理された変動相場制をスタートした。通貨バスケットに含める通貨やそのウエートは、どのような基本原則によって決めるのか――。同問題について、中国人民銀行(中央銀行)の周小川行長(総裁)は10日、人民銀上海本部の新設式典で次のように説明した。

 人民元為替レート調整の参考となる通貨バスケットに含める通貨の選択や、そのウエート決定にあたっては、基本原則として、国際収支の経常項目の主要取引相手とその通貨を考慮する。わかりやすくいえば、中国の対外貿易、対外債務(利支払い含む)、外資の直接導入(配当含む)などの対外経済貿易活動で大きな比重を占める主要国・地域の通貨を選び、通貨バスケットを構成する。また、各通貨にはそれぞれウエートをつける。

通貨の選択やウエートの置き方については、商品・サービス貿易の比重を基礎とする。中国では現在、商品・サービス貿易が経常項目の国際収支の主体であり、通貨バスケットに含める通貨の決定も、対外貿易の比重を主な根拠としなければならない。現時点では米国、欧州連合(EU)、日本、韓国などが中国の主要貿易相手であるため、米ドル、ユーロ、日本円、韓国ウォンが、通貨バスケットの主要通貨となる。このほか、シンガポール、英国、マレーシア、ロシア、オーストラリア、タイ、カナダなどとの貿易の比重も大きく、これら各国の通貨も中国の人民元為替相場にとって重要だ。一般的にいえば、対中貿易額が年間100億ドルを超える国(地域)は、軽視できないウエートを占めていることになり、50億ドル超程度でも小さいとはいえない。

通貨バスケットに含める通貨の選択やウエートの決定では、このほかにも対外債務の通貨構成、外資直接導入、経常項目のうち無償譲渡の収支なども、適切に考慮する必要がある。

                    「人民網日本語版」2005年8月12日