中国、「省単位」経済から「地域共同発展型」経済へ

近く完成予定の中国の「第11次五カ年計画」には、「地域共同発展型」経済の促進を柱とする「地域計画」が初めて極めて重要な位置づけを与えられた。

中国国家発展改革委員会の専門家たちは、この「地域計画」は行政地域にまたがる、経済関係の緊密な地域を対象とした拘束力を持つ地域共同発展計画であり、その目的は行政の閉鎖性を打破し、これまでの行政区別(省単位)経済から「地域共同発展型」経済への転換を促すことを目指すものである、と語っている。

これまでに、中国経済の枠組みはずっと行政区画を基礎としたものであった。省クラスの人民政府はその施政範囲となる行政区画内で1つの権力主体として位置づけられ、中国の特色のある「省単位」経済発展の枠組みを形成し、市場経済システムも「政府主導型」市場経済モデルとなっていた。

市場経済の発展に伴い、「省単位」経済の中国全体の経済発展への制約が日増しに顕在化するようになった。

国内から見ると、一つの省だけで、自らの発展を遂げるには「力不足」である。

工業化、都市化及び市場化プロセスが加速している今日では、経済活動はすでにこれまでの生産力発展の行政区画の範囲を超え、国内のそれぞれの地域では市場の一体化への要望が日増しに強まっている。しかし、行政区画体制の制約を受け、行政区間の資本、技術、人材、情報などの生産要素の移動は極めて緩慢なものであり、市場は分割され、資源の最適化配置の実現は難しく、企業のスケールメリットの形成も難しい。

さらに、「省単位」経済の枠組みのもとで、国の経済構造に対する戦略的調整も「力不足」であり、節約型社会の建設も「力不足」である。

世界的な状況から見ると、国際競争に参与するにも「力不足」である。

世界経済の地域一体化は今日の世界経済の重要な特徴のひとつであり、世界の経済関係はすでに国と国との競い合いから地域経済組織間の戦いへと変化しつつあり、地域経済協力はすでにそれぞれの国・地域の経済発展を促すうえで非常に重要な選択肢となっている。

専門家たちは、中国が「省単位」経済から本当の意味で「地域共同発展型」経済へ転換することは、新たな段階の改革と発展に新しい原動力を提供することになる、という見方を示している。一方、これまでの中国の市場化志向の改革戦略が行政区画に制約された市場化改革であった。中国は世界経済一体化の枠組みを踏まえた上で改革のグレードアップを図り、地域市場メカニズムの構築を加速し、国内の「地域共同発展型」経済を促し、「市場主導型」経済モデルを模索すべきである、とも指摘している。

7月25日に、「第2回グレーター珠江デルタ協力発展フォーラム」が四川省省都の成都市で開催された。グレーター珠江デルタの範囲は、福建、江西、湖南、広東、広西、海南、四川、貴州、雲南の9つの省・自治区と香港、澳門(マカオ)の2つの特別行政区を含むものであり、略して「9+2」と称されている。

国務委員兼国務院秘書長の華建敏氏は、「第2回グレーター珠江デルタ協力発展フォーラム」の開幕式で、グレーター珠江デルタ地域協力はすでに国家発展戦略に組み入れられていることを明らかにし、同時にグレーター珠江デルタ地域は中国の東部・中部・西部経済一体化の「モデルケース」になる、という見方を示した。

                      「チャイナネット」2005年8月17日