三江源地区の生態環境の悪化は初歩的に抑制され

中国西北部の青海省の関係部門は、「ここ5年来、一連の生態保護措置の実施を通じて、青海省にある黄河、長江と瀾滄江という三つの川の源流地区の生態環境の悪化状況は初歩的に抑制された。現在、中国は更にこの地区に対する生態環境保護を強化している。」と表明しました。

"三江源地区"と呼ばれているこの三つの川の源流地区は青海チベット高原の青海省西南部にあり、独特の地理的位置と自然条件によって、この地区には高山湿地や、草原、森林などの生態景観や豊かな野生動植物資源があります。しかし、数年前、世界の気候温暖化やこの地区における人間の活動が増えることにより、三江源地区の生態環境は絶えず悪化し、大面積の草原が砂漠化され、植生と湿地の生態系統がひどく破壊されました。青海省環境保護局の張藍青副局長は「世界の気候温暖化によって、山の雪が融け、凍土が沈み、湖が干上がり、川の流れが絶えるなどの現象が出てきた。それに、過去数十年に過度の放牧など人的な破壊が加わり、環境の劣化は更に厳しくなった。」と述べました。

生態の劣化によって、三江源地区の水を蓄える能力は急速に衰退していきました。これは、長江、黄河と瀾滄江の生態安全を脅かしています。三江源地区の生態環境を効果的に回復し、保護するために、5年前から、中国はこの地区で自然保護区を設立すると共に、一連の効果的な措置を講じました。これについて、青海省林業局の鄭傑副局長は「私たちは、保護区で数項目の生態保護プロジェクトを実施している。主に、天然林の保護や、耕地を森林に戻すなどのプロジェクトがある。この地区にある2800万ムー(約190万ヘクタール余に当たる)の天然林資源を長期的に保護する」と述べました。

現在まで、三江源地区では累計して50万ヘクタールの表土流失の土地が整備されました。黄河に流される泥と砂の量が10%減少しました。野生動植物の数も例年より明らかに増えており、国家一級の保護動物であるチベットカモシカは1998年より1万3000頭増えました。

三江源地区の保護を強化するために、今年初め、中国国務院は『青海三江源自然保護地区の保護と建設の総体企画』を採択し、7年間で約75億元を投入し、三江源地区の生態環境を更に改善します。また、鄭傑副局長は「この企画の主な建設内容は三つに分かれている。まずは、生態保護建設項目で、主に牧草地と耕地を森林に戻し、湿地を保護し、表土の流失を整備するなどが含まれている。第二に、農民と牧畜民の生産、生活のインフラ施設の建設で、主に、生態保護のための住民移住や、小さな町の建設、家畜の飼育に適応するプロジェクトなどの建設が含まれる。第三に、科学技術に支えられているプロジェクトで、主に、人工的に雨を降らせ、科学研究成果の応用、生態の観測及び農民と牧畜民の養成などが含まれている」と述べました。

                     「CRI」より 2005/08/17