中国経済、05・06年は成長減速か 世界銀行

世界銀行中国事務所は16日、中国経済に関する四半期レポートを発表した。世銀はレポートの中で、「国内需要が縮小し、世界の経済貿易の成長が減速するものの、中国経済の見通しは依然として明るい」との見方を示した。また、マクロ経済環境の安定と有利な金融環境を前提に、中国の今年の経済成長率を9%、来年の経済成長率は約8%と予想している。レポートは、次のような見方を示している。

統計データによると、今年上半期、中国の内需の成長は鈍化した。対外貿易が大きく貢献し、経済は急成長を維持。中国の名目GDP(国内総生産)成長率は、昨年の16.4%から今年上半期は14.2%に低下している。農業は、補助金給付や農業税引き下げなどの政府支援を受け、成長率が5%に達した。しかし成長率のトップは引き続き工業で、11.2%だった。これは、力強い成長を見せる対外貿易や、安定した国内需要と一致するものだ。

世界貿易の成長率は、昨年の12%から、今年は6.4%に低下される見通し。これは、中国の輸出の成長に影響する可能性が高い。人民元レートの小幅な切り上げや、エネルギー消費量の高い製品の輸出を抑える最新措置なども、輸出にある程度影響するとみられる。国内では投資の成長が鈍化すると予想される。これは、昨年上半期からの融資増の減速、最近の企業の利益率や利益増の低下に兆候が表れている。

中国のマクロ経済は、輸出需要が予想を下回る可能性、内需(特に投資)縮小幅の不確定性という、景気悪化への二重のリスクに直面している。

人民元レートの変化が国際貿易の利益に及ぼす影響は大きくないだろう。切り上げ観測を受けた一部の資金の流れはここ数カ月で減少し、これにより中国政府の通貨政策は独自性を増すとみられる。為替相場制度の変化は、中国の国際貿易関係にプラスの影響をもたらすべきである。

「人民網日本語版」2005年8月18日