中国 抗日戦争の被害者援助の民間基金を設立

中国人権発展基金は18日、北京で"歴史、人権、平和"という基金を設立しました。この基金は旧日本軍の中国侵略期間中の中国人被害者が日本に賠償を求め、国連などの国際機構に旧日本軍の暴行を暴露することを支持するとともに、関係機構と人々は日本の中国侵略史の調査展開を支持します。

60年余り前、日本は中国侵略戦争を発動し、中国の主権と中国人民の人権をひどく踏みにじました。戦争終了後、中国政府は中日両国人民の世々代代の友好から出発し、日本政府に対する賠償要求を放棄しましたが、中国の被害者は自分の賠償請求の権利を放棄していません。1980年代から、中国の被害者が日本に対する賠償請求訴訟は絶えず行われてきました。

中国人権発展基金会の林伯承副会長は「中国人権発展基金会などの中国民間組織や、中国の一部の弁護士、正義感を持っている日本人は戦争被害者の日本に対する賠償請求を大いに支持している」と述べました。さらに、林伯承副会長は「現在、日本で訴訟中の事件、強制連行、慰安婦、化学兵器など30件近くである。実際のところ、これらの訴訟を続けて行っても勝訴する可能性はほとんどない。歴史的事実を擁護し、真理を堅持し、人権を護るため、われわれは揺るぐことなく頑張っていく。訴訟を堅持して、日本の人々に歴史的真実を知ってもらい、道義上日本右翼勢力を敗かせば、裁判所で敗訴したとしても正義は勝利したものだ」と述べました。

この目的のため、中国人権発展基金は18日北京で「歴史・人権・和平」基金を設置し、日本軍の中国侵略戦争で被害を受けた中国の人々が日本で賠償請求する場合、基金は支援を与えることになっています。

平和を愛する世界人民が戦争の苦難を忘れないようにするため、この基金は、日本だけでなく国際裁判所や国連機関で被害者が旧日本軍の暴行を告発することにも資金援助を与えます。

基金は、関連機関や個人による日本の中国侵略の歴史調査と研究を支援します。基金の総監事王選女史は「これは、戦争被害者の人権を守るには事実でものを言うしかないからである。しかし、時間の経つにつれて、日本の中国侵略戦争で被害を受けた人々の多くはなくなりました。大多数の被害者の苦難や記録は、整理されていません」と述べました。また、王選女史は 「数多くの人の被害の歴史は現在までに、整理、記録されていません。今からやらないと、被害者の死亡により、その歴史が永遠に消えてしまう。彼らの歴史は中華民族の歴史の一部で、それを継承されていかなければならない。この沈痛な歴史は中華民族の記憶で、今後の世代にも継承していく必要があります」

中国人権発展基金会の林伯承副会長は、「この基金は内外各界の寄贈を受け、とりわけ、日本の社会各界が基金の主な支援になってほしい」と語り、「第二次世界大戦の後、ドイツは真摯に反省し、数十年の模索と努力により、2000年、ユダヤ人向けの賠償基金を設置した。中国人権発展基金は日本がドイツに見習い、日本の関連側に、中国の民間により立ち上げた戦争被害者を援助する基金を受け継ぎ、これを中国の被害者に充分な賠償を行う基金と変えていくよう希望している」と述べました。

林伯承副会長は、また、歴史は昨日の現実で、鏡のようなものです。日本は以前に行ったことを忘れずに、歴史を銘記し、中国の主権を踏みにじり、中国人民の人権を損なう犯罪行為を真摯に反省し、その賠償を行ってこそ、中国及びその他の国と共に戦争を正視し、平和を大事にし、未来に目を向け、一緒に未来を切り開くことができると強調しています。

 「CRI」より2005/08/19