中国のIT産業、今後5~10年間の新しい特徴

 

中国情報化協会主催の「2005年中国情報化政策及び発展傾向報告会」が先般北京で開催された。大会のメーンテーマは「2005年及び今後5年間における中国のIT産業政策、情報化発展の傾向及び情報化戦略の重点」というものであり、中国国家発展・改革委員会の朱之鑫副主任、中国国務院情報化作業弁公室の楊学山副主任、中国国家情報化専門家諮問委員会の周宏仁常務副主任らが会議に出席し、重要な発言を行った。

会議では、今後5~10年間において中国のIT産業は全般的に、以下の新しい特徴が見られるようになる、としている。

情報化技術、情報化資源の幅広い分野での応用がますます政府、企業及び一般の人々に重視されることになる。電子行政は中央と大・中都市において業務遂行のための重要な手段となる。電子商取引が着実に発展を遂げ、従来の取引方法と電子商取引が共存することになる。

国、地域にまたがるBtoB(電子商取引(EC)の形態の一つーー企業間の取り引きのこと)が活発化する傾向を呈す。

LSI(IC――集積回路のうち、素子の集積度が1000個~10万個程度のもの)に大きな突破が見込まれ、自主的知的財産権を持つCPUチップが普通のICT製品のコア部品となる。

スーパーコンピュータ、ネットワークコンピュータなどの開発において新たな進展が見られ、演算速度が毎秒1兆回を上回るクラスのものでは、国産スーパーコンピュータが依然として世界の前列に立つことになる。

ソフトウェア技術と製品が急速な発展を遂げ、Linux(オペレーティングシステム)に基づくソフトウェアが日とともにWindowsソフトウェアのマーケットシェアを圧迫する状況となり、国産ソフトウェア及びソフトウェア・アウトソーシングの国際競争力が向上し、輸出が拡大する見通し。

データ通信が音声通信に取って代わって通信業務の主流となり、インターネット通信においてはマルチメディア化などの幅広い応用が一般のパターンとなる。

テレホンネット、CATVネットとインターネットのいずれもがデータのブロードバンド伝送を基礎とするようになり、しており、ブロードバンド化及び「3つのネットの融合」が不可避の趨勢となり、この「3つのネット」についての業務の融合が進むことになる。

モバイル通信、モバイルインターネット、モバイル電子商取引・電子行政業務が急速な発展をとげ、3Gインターネットと端末が投資のホットスポットとなる。

ICT(情報通信技術)産業が引き続き国民経済発展をけん引する分野となり、その発展のスピードは同時期のGDP伸び率の2~3倍を上回るレベルで推移する見通し。

情報化発展のメカニズム、政策の充実化や法整備のテンポの加速、市場ルールの健全化、開放と競争の促進、知的財産権の保護、プライバシーの尊重、インターネット犯罪の取り締まりがその重点的な仕事となる。

情報化発展における人材育成の規模が急速に拡大し、人材の質とレベルが絶えず向上し、情報化の普及教育が繰り広げられ、個人の情報化に関する知識と技能が求職、就業の基本条件となる。

伝えられるところによると、「2005年中国情報化政策及び発展傾向報告会」には、27の省(直轄市)・自治区の300人を超える情報化に携わっている経営者、管理者及び国内の著名なIT企業の代表らがこれに出席した。

「チャイナネット」2005年9月2日