中国企業トップ500・世界のトップ500 とのギャップは?

 

先般、「2005年中国企業トップ500ランキング」が天津で公表された。統計データによると、企業の規模、企業の質、経営能力、競争力などどの指標でも、中国企業トップ500は世界企業のトップ500とは大きなギャップがある。中国企業がグローバルな競争に参加するには任重くして道遠しということを表している。

「2005年中国企業トップ500ランキング」は中国業種協会によって評定された中国唯一のトータルな企業力のランキングである。その評定の指標は「フォーチェン」のトップ500とまったく一致したもの。しかし、最新の統計データによると、2005年中国企業トップ500の営業収入総額、利潤総額及び資産総額は2005年世界企業トップ500のわずか8.4%、7.0%、6.0%を占めるにすぎない。2005年アメリカ企業トップ500はその17.2%、12.5%、18.2%に達している。

中国企業連合会、中国企業家協会の陳錦華会長は「中国経済の世界経済における地位は急速に上昇しているが、中国企業の競争力はそれにマッチしていない。財務データのギャップの背後には、体制とメカニズム、およびトータルな競争力のギャップが存在している」と語った。

特に指摘したいのは、2005年中国企業トップ500のうち、上位の八位は独占企業であること。世界企業の上位にある企業は競争力のある企業である。しかし、中国の大型・現代サービス業、例えば電信サービス業、民間航空、鉄道、郵政の多くは国有資本である。専門家たちは、中国の大企業の発展と成長が政府のサポートに依存する現状はこれからも続くと見ている。また、世界企業の上位にある大企業が主に市場に依存していることに比べれば、中国の大企業の成長およびそのトータルな資質には著しいギャップが見られる。

それと同時、比率は低いが、年を追って増える中国の民営企業は強い生命力を示している。2005年中国企業トップ500のうち、民営企業がその15.8%を占め、民営企業の資産利潤率、一人当たりの利潤、資産の回転率、一人当たりの営業収入はいずれも国有企業を大幅に上回っている。

清華大学の劉冀生教授は「中国企業トップ500のいま一つのギャップはコア・コンピテンスが弱いことである。また、多国籍企業と対抗することができるブランドの少ないことも中国企業の直面する課題である。2005年4月に、世界ブランドラッブが公表した『2005年世界ブランドトップ500ランキング』では、中国はわずか4つの自らのブランドを保っているだけで、中国一のハイアール(Haier)は同ランキングの89位である」と語った。

世界企業トップ500に比べれば、中国企業トップ500が保有している知的所有権やコア・テクノロジーは足りない。研究・開発への資金投下の不足がその要因である。

その以外に、中国企業の国際化の程度も低く、対外投資の規模はほんのわずかである。2004年年末までの時点で、中国企業の累計対外投資はわずか370億ドルで、外国企業の累計対中国投資総額の6.58%を占めるのみである。

世界企業トップ500に比べると、中国のサービス企業のトップ500は急速に成長しているものの、ギャップは非常に大きい。2005年において、中国サービス企業トップ500の資産規模と利潤総額はそれぞれ世界サービス企業のトップ500のわずか5.4%、3.41%を占めるのみ。中国のサービス企業トップ500の一位を占める中国国家電網会社の営業収入はウォールマートの24.75%である。

産業発展のアンバランスのほかに、中国企業トップ500は重工業・化学工業企業の特徴がある。重工業・化学工業産業が雇用する労働力は少なく、社会ニーズの増加を引き上げる力も弱いのに、エネルギー消費は大きい。中国企業トップ500のランキングに入選した天津薬業グループ有限会社の師春生理事長は「粗放型の経営パターンを放棄し、全面的かつ持続可能な節約型の生産・経営パターンを堅持し、節約的企業管理のメカニズムを構築することは、中国の大企業にとっての社会的な責務である」と語った。

劉冀生教授によると、国際的な競争力をもつ大型グループ・企業を育て上げることは、中国の国としての競争力を引き上げる重要な措置である。中国企業トップ500の発展・変化を考察し、世界企業トップ500に対する優位、課題とギャップを比較、分析することは、まさに努力の方向を指し示し、中国企業の発展を促すためである。

「チャイナネット」 2005/09/06