なぜ中国経済の『基本的な面』は不変、というのか

 

先般、中国国務院の温家宝総理は「21世紀フォーラム」の2005年度会議の開幕式で、「われわれは中国の未来に対して自信満々である」と語った。その後、中国国務院の曽培炎副総理は多国籍企業の責任者と会談した際、「中国経済は平穏かつ急速に発展しつづける条件があり、2005年の通年のGDPは9%増となると見ている」ことを明らかにした。

この二人の指導者の談話から、中国経済の「基本的な面」がより明確になった。

一、中国経済が十分な発展の原動力を保っている。当面、中国の工業化の発展には重工業と化学工業を主とする特徴があり、都市化の度合いにも年間1.4%増が見られる。これにより、投資の高水準の持続も見られる。他方、中国の都市部と農村部住民の可処分所得は急速に伸びつつあり、特に8億余の農民の現金収入は大幅に増加し、巨大な消費ニーズが見られている。国内ニーズの「基本的な面」は、中国経済の「基本的な面」が不変であることを決定づけるものとなった。

二、中国経済の発展には十分な物質面、体制面の保障がある。改革・開放実施26年以来、中国では非常に豊かな物質的条件と技術的条件を蓄積されており、経済リスクのマネジメント能力は大幅に向上した。それと同時、株式と所有権を切り離す改革、為替レート形成メカニズムの改革、投資メカニズムの改革、国有企業の改革、農村部における税収・費用の改革、独占業種の改革など、国にとって重要な経済分野での改革を促し、就業、社会保障、教育、医療など、人々の切実な利益にかかわる分野での改革がより重要な位置に置かれることになった。改革は難関を突破する段階に入っている。

より重要なのは、中国は自らにふさわしい発展の道をさがしあてており、これは「科学的な発展」の道である。つまり、適度の発展速度を保つとともに、統一して調和の取れた発展、経済成長の質と実効、社会の公平と正義を重視するという経済発展のパターンである。意識の転換、モデルの面でのイノベーションは経済の発展のために新たな境地を切り開くものとなっている。

当面、中国の経済には確かにいくつかの問題を抱えている。例えば、投資の成長が鈍化していること、企業の利潤も低下していること。実のところ、投資の適度の減少はマクロコントロールの所期目標である。企業利潤の低下は、これまで投資の過度に急速な伸びによってさらけ出された問題である。これらの問題に対して、中国の中央政府はマクロコントロールをおこない、企業の発展にとって望ましい環境を作り出し、いくつかの安定のための措置をとっている。これらのことを見て「中国経済の上昇は止まり、経済成長率は明らかに落ち込むことになろう」という結論を引き出し、ひいては中国経済は見込みがなくなったと見るなら、経済の発展の法則をよく理解していない見方であろう。これらの論調は「速度によって経済発展の質を判断する」という考え方である。実は、経済の発展速度を適度にコントロールするのは、前進のペースを調整する措置であり、その目的は発展速度の大きな起伏を防ぎ、望ましい勢いを持続させ、発展の質と成果を具現させるものである。

注意しなければならないのは、これから二三年間における経済発展のマクロの環境における変数が大きくなっている。一、貿易摩擦が頻発し、対象となるものと産品が増え続けていること。二、高騰する石油価格が中国経済の発展にマイナスの影響を及ぼしていること。これらの問題に対し、われわれは経済発展を促すと同時に、科学的な発展モデルを堅持し、発展の速度を保つ一方、発展の実益の増大を重視しなければならない。「事前に変化を読み取り、正しい政策、有力な措置」がありさえすれば、平穏かつかなり急速に伸びる中国経済の「基本的な面」は今後も持続することになろう。

「チャイナネット」 2005/09/15