海外からの研究開発投資が急増、
中国は「世界の実験室」に

 

欧米諸国の多国籍企業は、製造業の中国進出を果たした次のステップとして、中国における研究開発に熱い視線を向けるようになっており、相次いで中国での研究開発投資を増やしている。アナリストたちは、中国はすでに「世界の工場」から、「世界の実験室」になりつつある、と見ている。

AFP通信はボストン・コンサルティング会社上海駐在代表のデビッド・マック氏の話として伝えたところによると、現在中国に設立された外国の研究開発機構はすでに300を上回っている(アメリカでは約700)。マック氏は、今や多国籍企業の間で研究開発に言及する際、思いつくのは1つだけ――つまり中国への投資である、と語っている。

事実、経済情報研究所の統計データによると、中国はすでにアメリカと日本に次ぐ世界3番目の研究開発投資受入国となっており、毎年海外から導入された研究開発投資は約590億ドルに達している。

マック氏は、海外の研究開発投資が大量に中国に流れ込んでいる現象について次のように分析している。

経済が急成長の勢いを保っている中国には、いくつかの切り札がある。まず、多国籍企業の目を引いているのは中国の市場規模である。研究開発する新製品は中国市場向けのものが多く占めているため、中国で研究開発センターを設立することによって、その研究成果をいち早く中国市場に持ち込むことができるからである。

次に、中国国内の中間層の拡大およびこれらの消費者の流行を追い求める傾向が絶えず新製品の登場を促し、数多くの外国企業の商品開発は主に中国消費者のニーズに合わせたものとなっている。これらの多国籍企業が優先的に考慮しているのは、いかにして研究成果を中国市場に投入するかであり、国際市場へ投入するかはその次のこととなっている。

さらに、中国の研究開発人材市場は巨大なものであり、人件費も格段に安い。中国国内には74.3万人の研究開発人員がおり、人数の上ではアメリカに次いで2番目、日本を上回っている。アメリカのマイクロソフトの北京研究開発センターは、180人の中国人エンジニアを抱えている。

アナリストたちは、多国籍企業が中国で採用している研究要員の人数は、2008年までにはさらに35%増えると予測しており、それは幅広い分野に及ぶものであり、とりわけ新技術分野に集中すると見られている。

「チャイナネット」2005年9月16日