わが国の水資源管理、戦略的な転換

 

我が国の32の人口が百万人を超える大型都市のうちの30都市は長年水不足に悩まされている。全国では毎年平均、2千万㌶の農地が干ばつの被害を受け、毎年平均2800万㌧の食糧が減産となっている。水利部の索麗生副部長はこのほど、我が国の水資源は厳酷な状況と挑戦に直面していることを指摘した。

水資源は基礎的な自然資源であり、戦略的な経済資源でもある。2002年にヨハネスブルクで開催された持続可能な発展を目指すサミットでは、水問題は持続可能な発展に関する世界の5大課題のトップと見なされている。

現段階の我が国は急速に発展を遂げている経済社会と水資源不足との矛盾はかなり深刻な様相を呈し、水環境と経済社会の発展との間の矛盾も日増しに突出するようになり、水資源の過度の開発は生態環境を破壊し、水資源の粗放的利用方式なども厳しいチャレンジに直面している。

持続可能な発展の必要に応じて、我が国は水資源管理について以下の6方面から戦略的な転換に着手している。

一、 人間本位を堅持し、飲用水の安全を保障する。飲用水の水質問題の解決に努め、特に農村の飲用水の安全・応急プロジェクト計画および2005~2020年農村住民飲用水安全計画の策定を急ぎ、逐次農村住民の飲用水安全問題を解決する。

二、 自然の法則を尊重し、人と自然との調和を目指す。これは中国の治水理念における大きな調整の核心とポイントである。生態系と水との密接な関係を重視し、生態系に深刻な問題を抱えている河川流域に対して節水や水質汚濁の防除、導水などの措置を講じて生態系が必要とする基本的な水の需要量を維持する。自然の自律的回復能力を重視し、それを発揮させ、生態系を保護し、人と自然の調和のとれた関係を促進する。

三、 水資源開発利用方式の転換に力を入れ、節水型社会を構築する。中国の水資源不足を解決するうえでの最も根本的でかつ効果のある戦略的な措置は節水型社会を構築することである。節水型社会を構築する計画の策定を急ぎ、水資源の開発利用方式の粗放型から集約型、節約型への転換を促進し、2020年までに節水型社会を初歩的に構築するよう努める。

四、 水権制度と水市場の構築を重点として、用水管理制度を創設する。

五、 経済的手段を運用して節水と汚染防除を促進する

六、 水の管理体制改革を深化させ、民主的な管理を積極的に促進する。

「チャイナネット」2005/09/21