我が国のバイオ経済を発展させる5つの優位性

 

情報産業に次いでバイオ産業は今後の我が国の経済成長スポットになる可能性が非常に大きい。科学技術部によって完成された研究調査は、我が国のバイオ経済を発展させる面での5つの優位性を明らかにしている。

一、 力を集中して大きな事業を取り組む政治的優位性。これは、我が国の社会制度をよりどころとするものである。我が国は社会主義市場経済制度を実施しているため、力を集中して大きな事業を取り組むうえで有利であるし、市場の役割を十分に発揮させることもできる。「神州5号」有人宇宙船の打ち上げの成功もこれを裏づけている。

二、 特に恵まれている生物資源の優位性。我が国は生物資源の最も豊富な国の一つで、26万種類もの生物の種を有している。すでに32万件の農作物、1万種類の天然薬材の種の資源を収集しており、3000余りの人類の家系のサンプルをも採取している。人類の遺伝資源も非常に豊富である。

三、 人材面の優位性。バイオテクノロジーの面で我が国と先進国の間のギャップがもっとも小さな分野である。交雑種水稲、害虫に強い綿花、「試験管」牛、ヒトゲノム、遺伝子プロジェクトの肝臓病ワクチンの研究と応用も世界をリードしている。中国系の学者が世界のバイオテクノロジーの分野で重要な役割を果している。

四、 バイオテクノロジー産業は初歩的な規模を形成し、発展のテンポも速い。現在、我が国には現代的なバイオテクノロジーを利用している企業が500社もあり、従業者数は5万人を上回り、毎年新規創設の会社は100社近くに達している。全国には20以上のバイオテクノロジーパークが設立されている。

五、 バイオテクノロジー産品の潜在市場は巨大なものである。我が国は13億の人口を擁し、保健食品を食用している人口は約5億人に達し、薬を飲んでいる人の数も1.3億人にのぼる。このほかに20億ムー(15ムーは1ヘクタール)の農地が農作物の種の更新を必要としている。そのため、中国は世界最大のバイオテクノロジー産品の消費市場の一つとなっている。

専門家たちはまた、現在のバイオテクノロジー産業とバイオ経済は発展のさなかにあり、資金による育成を要する時期にあり、投資のサイクルが長く、投資額が大きく、投資リスクも大きいなどの特徴があり、数多くの投資は短期間にリターンを目にすることはできない。バイオテクノロジーとバイオ経済においてどの国、どの地域がブレークスルーに成功するかはその国やその地域の促進力と発展の趨勢によって決まることになろう、と語っている。

「チャイナネット」2005/09/23