漢方薬によるエイズ治療が一応の成果を収めた

 

中国国家漢方薬管理局の関係者は、このほど、当放送局の記者の取材に、2004年8月から始まった漢方薬によるエイズ治療は、国内の11の省や市で進められ、一応の成果を収めたと述べました。

エイズは、全世界では4000万人が感染しているとみられ、その中、2300万人がすでに死亡しています。調査によりますと、中国のエイズ患者は84万に達し、感染者は増える一方です。

現在、西洋医学では、エイズ治療にもっとも効果ある方法は、抗ウイルス治療ですが、残念ながら、ウイルスを殺せず、かなり大きな副作用があるそうです。漢方薬で治療すれば、これと違って、患者の免疫力を高めることにより、患者はウイルスを持ったままでも長期生存が可能とのことです。

漢方薬によるエイズ治療の優位性を発揮させるため、中国国家漢方薬管理局など関係部門は、2004年から、試験的治療を始めました。管理局の劉文武部長は、「2004年8月、国内の五つの省で漢方薬による試験的なエイズ治療をはじめた。この五つの省は、河南、河北、安徽、湖北、広東で、今年6月現在、2700人の患者がこの治療を受けた。今年から、さらに六つの省や市を増やし、試験的治療を行っている」と述べました。

試験的治療を行って以来、中央政府は、3600万元もの資金を拠出しただけではなく、地方政府の協力を要求し、管理や科学研究、医師養成などにも力をいれています。現在、比較的完全な漢方薬によるエイズ治療のシステムができあがりました。

試験的治療の具体的な内容とは、西洋医学による治療の効果があまりなく、あるいは、副作用があまりにも大きい患者を主な対象にし、また、患者の自由意志で行っています。このほか、一部の西洋薬による治療を受けている患者の補助的な治療にもなり、西洋薬の副作用を軽減し、その効果を強化することを図っています。

中国国家漢方薬管理局の劉文武部長は、現在、漢方薬によるエイズ治療は、かなりよい臨床効果を収めたと指摘し、「統計では、エイズの感染者と患者は、漢方薬による治療を受けた後、常に起きる下痢や吐き気、汗かき、無力感など臨床病症が大いに改善され、特に抗ウイルス薬物で引き起こした副作用は抑えられた。漢方薬による治療は、患者や患者の家族の間で人気を呼んでいる。また、これで、エイズの臨床治療方法もまたひとつ増えた」と語りました。

劉部長は、さらに、「漢方薬は、西洋の薬と異なっているから、その治療効果について、西洋医学の基準で判断してはいけない。そこで、国家漢方薬管理局の専門家たちは、より科学的で、規範的な漢方薬によるエイズ治療を推し進めていくため、その効果を評価する基準とシステムを作っているところだ。」と説明しました。

「CRI」より 2005/09/26