全国の1.9億ムーの牧草地を草原に戻した

 

寧夏回族自治区の塩池県の広大な面積の牧草地は往時の牧草が生い茂る姿を取戻した。牧畜民の張さんは、以前、ウシやヒツジの放牧頭数は草原の受容能力の2倍を超え、草がすっかり食べ尽くされ、一年中、砂あらしが吹く日が300日を上回ることになった。休牧となってからは、草がまた生え、砂地を覆うようになったと語っている。伝えられるところによると、現在塩池県の農牧民の収入は毎年15%の伸び率で増え、草原の植生カバー率はこれまでの30%から65%となった。

農業部関係筋によると、牧草地を草原に戻すプロジェクトはコストが安く、効果もよく、その後続産業の発展を大いに促し、農民、牧畜民に増収をもたらした。内蒙古自治区オルドス市のこのプロジェクト実施地域の草原植生カバー率は、実施前の約20%から60%を上回ることになり、草の茎も平均10~30センチも伸びた。果てしなく広がる砂地は今では見渡す限りの草が密生する草原となっている。四川省のこのプロジェクト実施地域の植生カバー率も、45%から58%となった。甘粛省甘南チベット族自治州のプロジェクト実施地域の植生カバー率は5~8%向上し、黄河、長江、瀾滄江の水源地である青海省の同徳県はプロジェクトの実施によって、200余りの遊牧民が電気を使い、きれいな水が飲めるようになり、一人当たりの収入も1300元から2000元余りに増えた。

わが国は60億ムー(15ムーは1ヘクタール)の草原を擁し、国土面積の41.7%を占め、世界で2位となっている。しかし、放牧される家畜の頭数は草原の受容能力を上回るという問題が日増しに深刻化し、広大な面積の天然の草原が退化、砂漠化、アルカリ化し、牧畜業と放牧地域の経済の発展を制約することになった。2002年に、共産党中央と国務院はこのプロジェクトの実施を策定し、2003年以来、国は42.2億元の資金を投入し、2.9億ムーの草原でプロジェクトを実施し、それは内蒙古、四川、雲南、チベット、青海、甘粛、寧夏、新疆の8つの省と自治区の116の県に及ぶものであり、現在、そのうちの1.9億ムーがプロジェクトを実施し完成した。

このほど、国務院の西部開発弁公室と農業部の関係部門は上述の地域に対してプロジェクト実施の状況を合同で検査した。その結果、プロジェクト実施地域の草原の植生が著しく回復し、生態環境悪化の勢いが一応抑えられ、牧畜業生産経営のパターンの転換が加速し、牧畜業の総合生産能力は目に見えて向上していることが明らかになった。

「チャイナネット」2005/09/29