中国、海水淡水化による水資源不足緩和を追求

 

国家海洋局の王曙光局長は、このほどある海洋管理特別研究班において、「沿海地区の水不足を根本的に解決するためには、河川水資源の引水、用水の節約、水価格の調整以外に、さらに海水利用という手段を講じ、海水淡水化技術を普及させなければならない」と指摘した。

中国は水が極端に不足している国の一つである。現在、中国の600余の都市のうち、半分以上の都市が水不足に悩まされている。特に沿海地区は都市が密集し、経済が活発で、人口密度が高いため、水不足が大きな問題となっている。個別地区では、地下水の過剰採取による海水逆流という深刻な結果を招いており、特に天津、大連、青島、煙台、威海、秦皇島など北方の沿海都市では程度の差こそあれ深刻な水不足となっている。

王曙光局長は、「今後の社会経済の発展、人口の増加、都市化の加速とともに、沿海地区の水資源不足はさらに深刻化するであろう。現在の状況から見て、河川水資源の引水、用水の節約、水価格の調整以外に、速やかに海に活路を求める手段を講じ、海水を利用していかなければならない。私たちは海水利用を総合的大産業として捉え、財政、徴税、投融資、市場参入許可、技術開発などの面で優遇政策を実施する必要がある。都市の新区建設、旧区の改造の場合、その工業用冷却水、生活用水には率先して海水を利用しなければならない。水不足が深刻な海島に対して海水淡水化技術の普及に努め、沿海発電所の余熱を淡水生産施設に利用して淡水生産量の増加を図り、速やかに沿海地区の水資源不足のプレッシャーを緩和させる必要がある」との見解を明らかにした。

知るところによると、国務院が6月に発布した《国務院の節約型社会建設短期重点業務に関する通知》では、「沿海水不足都市における海水淡水化、海水直接利用の推進」を明確に提起している。現在、国家発展改革委員会、国家海洋局、財政部が共同編制した《海水利用特別計画》がすでに発布、施行されており、沿海地区水不足緩和の指導的文献となっている。

「チャイナネット」2005/09/30