評論:中国の発展モデル、脅威論でなく共存共栄の道

 

経済のグローバル化が絶え間なく加速して進展するに連れて、世界各国の人々の命運は今日、かつてないほど密接に結びついている。われわれの住むこの惑星が、グローバル化によって次第に「小さく」なる現在、1つの難題がわれわれの前に突きつけられた。すなわち、「人類は、持続的で安定した、平和な共同発展の道を見つけられるか」だ。

最近、胡錦濤国家主席は国連首脳会議で、平和が持続し、ともに繁栄する調和した世界を努力して築くという主張を行った。胡主席の主張は、中国の国民が歴史体験を通じて得た教訓であり、新しい発展観がもたらす必然的な結論でもある。同時に、世界各国が中国の急速な発展に対して抱く疑問への答えでもある。胡主席は、中国の発展が、いずれの国や地域を妨害したり、脅かすことはあり得ず、世界の平和と安定に有利である、と明確に指摘した。

「中国の発展がいかなる国や地域も妨害しない」とは、中国が新たな発展モデルを模索すると同時に、こうした発展モデルに合った関係を外部世界との間に構築するために、努力していることを意味する。中国は終始一貫して、自らの発展と人類全体の発展を結び付け、世界の平和的な発展が生み出す好機を中国の発展に利用するとともに、自国の発展によって、世界平和の維持や共同発展の促進に貢献している。

「(発展によって)いかなる国や地域も妨害せず、脅かさない」とは、新しい発展モデルであり、中国の平和的な発展の基本原則でもある。中国のような大国が発展すれば、対立や摩擦が生まれるのは自然の成り行きだ。しかし対立や摩擦は特に恐るべきものではなく、われわれも対立を避けたりはしない。人類は、対立や矛盾を解決しつづける過程でこそ前進してきたからだ。重要なのは、われわれがどのような態度と立場を取り、どのような方法で対立や矛盾を処理するか、である。現在のように人類が緊密に結びついている以上、われわれは、従来とは異なる問題解決の道を探る方法や、矛盾や対立を充分に解決し、共同発展を促進する話し合いの枠組みを模索するだけの、十分な叡智を持つべきだ。

いかなる国や地域も妨害しない、とは、対外関係を処理するにあたっては、相互に尊重し合い、平等に対話し、友好的に話し合い、互いを思いやる方法であり、摩擦や紛争をうまく処理できる。長期的な視野に基づいて考察し、問題を解決する2国間や多国間協議の枠組みを少しずつ築くことも必要となる。覇権主義を押し進めたり、軍事力で他国を威嚇したり、ひいては武力で問題解決を図ることではない。

いかなる国や地域も妨害しない、とは、他国に面倒をかけず、自国の実力と改革を主な支えとして、発展の過程で現れたさまざまな矛盾や問題を解決していくことでもある。中国は人民本位の考え方を堅持し、均衡が取れた持続可能な科学的発展観に基づき、国内的には調和した社会を築く。それにより、中国は調和した世界の構築に向け、重要な貢献をすることにもなる。

国際社会の情勢は非常に複雑であり、日々新たな対立や摩擦が生じている。しかし、いかなる国や地域も妨害せず、脅威を与えないことにより、対立を解消し、さらに世界が調和に向かって進むよう促進できる。中国が提示した、調和した世界を築く、という理念は、達成するための努力と奮闘を必要とする。調和の取れた世界は、中国の利益となるだけでなく、人類社会に持続的な安定と平和をもたらすことができる。

「人民網日本語版」 2005年10月11日