小泉首相の靖国参拝を強く非難、外交部の声明全文

 
外交部の李肇星部長は17日、日本の阿南惟茂駐中国大使を緊急に呼び、小泉純一郎・日本首相の靖国神社参拝に関する外交部声明を厳かに読み上げ、その誤った行為を厳しく非難した。声明の全文は次のとおり。

日本の小泉純一郎首相は本日(17日)、中国やアジアの他の国の国民の強い反対を顧みず、第2次大戦のA級戦犯を祭る靖国神社の参拝をまたしても強行した。被害国の国民の感情と尊厳を傷つけ、中日関係を著しく損なうこのような小泉首相の誤った行為に対し、中国政府と中国の国民は強い憤慨を表明し、日本に強く抗議する。

日本の軍国主義は近代史上、最も深く重い傷を中国の国民に与えた。日本は加害者として、あの不幸な歴史に正しく対処し、被害者の民衆の痛みと感情を尊重すべきであり、これは中日関係の政治的基礎に関わっている。日本政府とその指導者は過去に、歴史問題について数度にわたり厳粛な態度表明や約束を行った。しかし近年、日本の一部指導者は何度も約束を破り、歴史問題をめぐって絶えずいざこざを引き起こし、中国の国民の感情を著しく傷つけ、中日関係の正常な発展に障害をもたらした。

今年は、中国人民抗日戦争および世界反ファシズム戦争の勝利60周年に当たり、国際社会は、世界に重大な災厄をもたらした当時の歴史をさまざまな形で回顧し、人類が支払った大きな代償を心に銘記することで教訓とし、未来をよりよく切り開いていこうとしている。しかし、日本の右翼の過激主義は時代の流れに逆行し、侵略の歴史を公然とわい曲し、否定している。日本の政府指導者である小泉首相は、第2次大戦のA級戦犯を祭った靖国神社の参拝に固執している。これでは小泉首相が公言した「歴史を反省する」という目的が達成されないばかりか、逆に日本の右翼過激主義による侵略史のわい曲や否定を助長している。

日本が21世紀にアジア近隣や国際社会の信頼を真に勝ち得、国際問題の中で積極的な役割を果たすには、真剣かつ誠実な責任ある態度で、人を納得させることのできる実際の行動によって「歴史を鑑(かがみ)とし未来に向かう」を体現し、これを基盤として周辺諸国と良好な関係を保ち、平和発展の道を歩く必要がある。

中日両国は互いに近隣であり、平和的かつ友好的につきあい、共同発展を模索しなくてはならない。これは、中日関係のプラスとマイナスの2つの歴史経験がわれわれに残した重要な啓示であり、両国の国民の共通の願いであり、最大の共通利益でもある。近年、中国政府と中国の指導者は中日関係の保護、アジア太平洋地域と世界の平和と繁栄の保護という大局に立ち、何度も日本に大義をもって諭し、利害をもって諭し、小泉首相がにわかに悟り、大切な道理をわきまえ、大局に配慮し、独断専行をやめるよう願ってきた。これはすべて、中国政府と国民の中日関係重視という政治的願望と誠意を十分に表している。しかし、中国側の誠意と努力は、あるべき報いを得られないばかりか、逆に小泉首相は、両国の無数の先人や有識者の長年にわたる中日友好事業への奮闘、献身により蓄積された成果を顧みず、頑迷に非を認めず誤った危険な道を進もうとしており、われわれは深い憤慨を禁じえない。小泉首相は、自身の誤った行動がもたらした重大な政治的結果にすべての責任を負わなければならない。「民意侮るべからず」だ。いかなる人も、道理にもとる行動を取れば、両国の先人や子孫に背いていることになり、最後には必ず「自分が持ち上げた石が自分の足に落ちる(自業自得)」の結果になるだろう。

「人民網日本語版」  2005年10月18日