甘粛省瑪曲県、「牧畜民定住モデルパーク」建設に力を入れる

 

中国共産党瑪曲県委員会の才智書記(右一)が「牧畜民定住モデルパーク」建設について説明を行っているところ

  甘粛省甘南チベット族自治州の瑪曲(マチュ)県は、青海チベット高原の東側、甘粛省、青海省、四川省の三省が接するところに位置し、格薩爾(ゲサル)文化発祥の地である。

瑪曲県は面積10190.8平方キロ、総人口4.28万人、そのうちチベット族が89%を占め、チベット族が集中して住んでおり、住民の大半は牧畜業だけで収入を得ている県である。長年来、牧畜民たちは遊牧生活に強いられ、病院にいくことさえ難しく、子供たちの通学も困難で、通信手段も非常に限られていた。

改革開放政策実施以来、遊牧民の収入が大幅に増え、2003年の年平均の一人当たり純収入は2528元に達することになったが、過度の放牧で草原の劣化が進み、牧畜民たちのそれ以上の生活の改善の見込みがないのが現状である。

在来の牧畜業を近代的牧畜業に移行させ、牧畜民の生活様式を近代的生活様式へと変化させ、小康社会を築き上げるため、瑪曲県は中国政府のサポートのもとで、遊牧民に定住地を提供することを目標とする「牧畜民定住モデルパーク」の建設に取り組むことになった。

瑪曲県の「牧畜民定住モデルパーク」のモデル住宅

2004年8月23日に、瑪曲県の「牧畜民定住モデルパーク」第1期工事である360棟の住宅の着工式が瑪曲県県政府所在地の南部で行われ、これは瑪曲県の「牧畜民定住モデルパーク」建設の幕開けを意味するものである。

中国共産党瑪曲県委員会の才智書記によると、このモデルパークの敷地面積は2平方キロメートルで、合計2000世帯、10000人が居住できるものとなっている。プロジェクトへの投資総額は約2.942億元で、そのうち住宅への分が約1.842億元、道路への分が約6000万元、公共施設への分が約1000万元となっている。工期は2004年~2008年。瑪曲県内の定住地のない6100世帯が対象となっている。

同パークの建設は、チベット族の伝統と習慣を尊重し、「ゆとり、民俗、生態系保全」を設計の際のテーマとしている。モデルパーク内に競馬場、パオ、診療所、幼稚園、文化センター、民俗園などの施設も整備されることになっている。

モデルパークに移住する牧畜民は一世帯ごとに政府から3万元の補助金が支給されることになっている。年内に、180世帯の牧畜民が放牧地から「牧畜民定住モデルパーク」に移住することが可能と見られている。2008年までに、瑪曲県の「牧畜民定住モデルパーク」への牧畜民の移住が完了する予定。

「チャイナネット」  2005年10月18日