中国の農産物貿易赤字、大幅に縮小へ

 
先般開幕した第98回中国輸出商品交易会(広州交易会)で明らかにされたところによると、今年の1月~8月期の中国の農産物の輸出入総額は363.2億ドル(前年同期比9.33%増)で、そのうち輸出は173.5億ドル(同23.7%増)、輸入は189.7億ドル(同1.2%減)、通年の農産物貿易赤字は昨年の48.9億ドルに比べて大幅に縮小すると予測されている。

   中国食品土産牧畜産品輸出入商会のデータによると、今年は2000年以来、中国の農産物輸出が6年間連続して持続的な伸びを示した年であり、約6年来輸出の伸びが最も速い年でもある。1月~8月期に、園芸、牧畜、水産物などに代表される優位性のある農産物の輸出が急増し、家禽・肉類も力強い回復を示し、穀類・食用植物油などの輸出も大幅に増加した。輸入では、ダイズ油、なたね油、綿花、小麦などが前年同期比一定の縮小となっているが、ダイズ、羊毛、水産物原料、皮革製品原料、砂糖、食肉用ニワトリが依然として堅調な伸びを示している。

2004年以降のコストなどの要因による中国の農産物輸出の「量が増える一方、価格が低下する」局面が改善しつつあり、かなりの輸出商品は「規模の拡大と同時に価格も上昇する」様相を見せており、今年に入ってこの傾向はさらに顕著となり、これは企業経営に大きなプレッシャーであると同時に、企業の成長パターンが次第に粗放的な数の成長型から集約的な品質型成長へと転換することを促すことにもなっている。

商会の関係専門家は、気候の原因による減産および労働力、包装材料、運賃、エネルギーコストなどが年々上昇している要因のほか、今年の輸出商品コストの上昇には以下のいくつかの要因が見られる、と分析している。

まず、中国経済のここ10年の急速な成長は、国内市場においても旺盛な良質の農産物を求めるニーズが生まれ、一部商品の販売価格に至っては国際市場での販売価格よりも高いため、一部の良質の商品が国内市場に流れ込み、これまでの在庫が大幅に減少している。

その次に、中国の耕地面積が減っているため、穀物と経済作物が土地を奪い合う矛盾がいっそう際立つことになり、昨年と今年の食糧価格はずっと高いレベルで推移しており、種子用穀物の比較利益が高くなり、農民の経済作物栽培の意欲に影響をもたらした。

さらに、金融環境も変化しつつあり、為替レートと金利の市場化プロセスが加速し、人民元の切り上げと当面の比較的高い融資コストが企業の経営コストの上昇を影響している。

商会は、国内の食糧・食用油などの価格の反落を受け、国際価格がなお歴史的な高位で推移していることから、中国の大口農産物輸出は依然として一定の増加が見込まれ、通年の農産物の貿易赤字は昨年の48.9億ドルに比べて大幅に減少する、と予測している。

 

「チャイナネット」  2005年10月21日