「論語や孫子だけじゃない」政府が書籍輸出に本腰

 

国家新聞出版総署の柳斌杰副署長はこのほど、中国政府は中国文化の海外進出、いわゆる「走出去」を今後も一貫して支持し、中でも書籍の海外進出が重要だとの認識を示した。

柳副署長によると、中国の図書輸入と輸出はほぼ9対1の割合で輸入が多い。2004年は、版権取引で同7対3、現物取引で同8対2と、輸入が輸出を上回った。ここ数年は、中国医学や漢方薬、食べ物に関する図書の輸出が比較的増えている。世界全体を覆う中国ブームの高まりに連れて、中国語学習教材の輸出も盛んだ。ただし、中国から輸出される書籍は依然として「道徳経」「孫子兵法」「論語」など古典が大半を占める。先進国と比較すると、書籍の輸出量は格段に少ない。

柳副署長は、政府の主幹部門が今後、4項目からなる具体的な政策を実行し、中国の書籍の海外進出を下支えすることを説明した。予定される政策は次の4点。

(1)海外機関による書籍購入の参考とするため、優れた書籍を組織的に選び、中国文化の特色を代表する図書目録として国外に推薦する。

(2)海外の出版社が中国の書籍を出版する場合、中国側が一定の金額の翻訳費用と版権取得費用を助成する。

(3)中国国内の出版社が海外の市場向けに書籍を出版する場合、輸出税の払い戻しなど優遇措置をとる。

(4)政府は中国の出版社が国際的な図書見本市に参加する際、資金や場所を提供する。

「人民網日本語版」 2005年10月28日