人民元、中国ベトナム間国境貿易の主な決済通貨に

 

ここ数年来、中国ベトナム間の国境貿易が急速な伸びを示しており、市場取引において人民元が次第にベトナムのビジネスマンや辺境地域の住民に受け入れられ、人民元の支払手段として利用される量が絶えず拡大し、すでに中国ベトナム間国境貿易の決済通貨における第1の選択肢となっている。

中国農業銀行広西チワン族自治区支店の廖家旺副行長は、経済の持続的な伸びで、中国の総合的国力が絶えず向上し、人民元の通貨価値の安定および中国側の銀行が国境貿易の決済において積極的な役割を果たしているため、国境貿易の決済通貨を人民元にすることがすでに中国ベトナム間国境貿易の中に浸透しつつある、と分析している。

中国ベトナム両国の陸地境界線の総延長が1347キロにのぼり、双方向開放の貿易ルートおよび税関も多く、そのうち7カ所は国家クラスの陸地国境税関となっている。統計データによると、1996年の両国間国境貿易額は約8億元、1997は37億元、1998年以降の両国間の国境貿易額はいずれも40億元近くで推移している。

10年近くの発展を経て、中国ベトナム両国銀行間の国境貿易における決済総額も急速に伸びている。2003年、中国農業銀行広西チワン族自治区支店の国境貿易決済額は24.93億元に達し、そのうち97%はベトナム側の銀行との間で行われたものである。2004年の1~5月に、同支店の累計国境貿易決済業務残高が14.45億元に達し、2003年の同じ時期と比べて35%増となった。

中国社会科学院世界経済・政治研究所の張斌博士は、「アジアの一部の国では、米ドルよりも人民元が堅調となっている上、米ドルを決済通貨にする場合と比べて人民元と米ドル間の両替の手間もかからず、非常に便利で、コストダウンにも結びつく」、と人民元を決済通貨に利用するメリットについて語っている。

「チャイナネット」2005年11月9日