第11次五カ年計画、11のキーワードから見る新たな思想・理念・措置(1)

 

中国共産党第16期中央委員会第5回全体会議でこのほど採択された「中国共産党中央委員会、国民経済と社会の発展に関する第11次五カ年計画の制定に関する建議」は、多くの新しい思考や理念、措置を打ち出た。これは、中国の経済・社会の発展における新たな実践に、きっと大きな影響を与えるだろう。ここでは、同建議の中から注目すべき11のキーワードを挙げる。

1.産業構造の調整

第11次五カ年計画(2006~2010年)における産業構造の調整には2つの意味がある。1つは、産業全体の技術水準の向上だ。産業構造調整の実現のカギは、独自の開発能力を全体的に高め、中核技術と重要技術の獲得に努め、科学技術の成果を応用する能力を高め、産業全体の技術水準を引き上げることである。もう1つの意味は、重点産業の発展だ。「建議」は、先進的な技術・設備を利用した製造業を発展させ、サービス業の比重を増やし、基礎産業のインフラ整備を強化することが、産業構造の調整における重要な任務だと指摘する。

2.循環型経済

「建議」の指摘によると、循環型経済の発展は、資源節約型・環境配慮型の社会を構築し、持続可能な発展を実現する重要な道だ。循環型経済の発展には、総合的な対策措置が必要となる。つまり、発展に関する考え方を変え、産業の構成・配分を合理的に調整し、循環型経済発展のための技術的なサポート体制を構築し、循環型経済の発展を促す制度やシステムを整備し、循環型経済に関する法律・法規と基準を整備し、循環型経済に関するテスト事業を実施し、PRと教育を強化していくことが必要になる。

3.独自開発

「独自開発能力の増強」を、科学技術発展の戦略的出発点とし、また産業構造調整や成長モデル転換の中心的措置に据えることで、オリジナル創造能力、既存成果の組み合わせによる創造の能力、技術の導入や消化吸収を通した再開発能力の向上に力を入れる必要がある。

「建議」は独自開発能力の向上について、次の5点を挙げている。

▼企業を主体とし、市場による方向づけを行い、産学研連携による技術革新システムの構築を加速する。

▼技術革新のために市場環境を改善する。

▼財政や税制、金融、政府調達などの面から独自開発支援策を実施し、独自開発を奨励するシステムを整備する。

▼世界全体の科学技術資源を利用する。

▼知的財産権保護を強化する。

「人民網日本語版」 2005年11月11日