雪の高原にすむ「精霊」 チベットカモシカ



   

チベットカモシカは青蔵(チベット)高原に生息する希少動物で、国家一級保護動物に指定されている。主に海抜4千メートル以上の高原にすむため、「高原の精霊」とも呼ばれる。

チベットカモシカは主に、青海省の可可西里(ココシリ)、三江原、西蔵(チベット)自治区の羌塘、新疆ウイグル自治区の阿爾金(アルチン)の各国家自然保護区約60万平方キロメートルに分布する。生息地域は海抜の高い寒冷な荒れ地や草原だ。

チベットカモシカは毛が柔らかくてきめ細かく、毛の直径はわずか6~18ミクロンしかない。このため、「柔らかな黄金」「綿毛の王様」とも呼ばれ、最高級の天然繊維とされる。

1980年代以降、巨額の利欲に駆られた密猟者が押し寄せ、その毛を入手するためにチベットカモシカを大量に捕殺した。その結果、チベットカモシカの数は激減し、世界の絶滅危惧種に指定された。

近年、中国は資金や物資を大量に投入し、密猟者の取り締まりを推進。政府や現地住民の努力で、チベットカモシカの保護事業は好ましい進展を遂げている。

「人民網日本語版」2005年11月13日