五輪と一般市民の距離を縮める五輪マスコット

 

中国国家体育総局研究所傘下のオリンピック研究センターの首席専門家である任海氏は「五輪マスコットの最も重要な役割は、五輪がお高くとまっているものでなく、自分たちの近いところにあるものだという感じを一般の人々に伝えるものと言えよう」と語った。

これについて、任海氏は次のように語った。

一、五輪マスコットはオリンピック製品を人間性に富む形で具現したものである。五輪マスコットは現実の生活から生まれたもので、「五輪大会が政治や経済の大会でなく、人々のためにサービスを提供するイベントである」ということを伝えるものである。五輪マスコットは五輪大会の和やかさ、オリンピック大会というスポーツ界の最高レベルのイベントと一般的な民衆との間に存在する和やかなむつまじい関係を具現するものである。

二、五輪マスコットは五輪主催国の文化・伝統を示すものである。すべての五輪マスコットは五輪主催国の文化・伝統とつながりがあるものである。現代オリンピックにとってビジネスチャンスの開拓は不可欠なものである。五輪マスコットは主催地の文化を経済的な運営に溶け込ませ、五輪ビジネスの開拓を通じて小さなマスコットが創造する価値が驚くほど大きなものである。マスコットはこれまでの五輪大会における収益の最も高い製品であった。

三、「史上最高の人気のマスコットは1992年のバルセロナ五輪の「コビ」というダックスフンド犬と見られている。これは抽象的なアニメキャラクターであるので、最初あまり好まれていなかったが、プロモーションが進むとともに、人気が高まり、今でも大きな影響力を残している。

四、五輪マスコットの評定・選抜は専門の人々によって行われたものであり、さまざまな要素を考慮に入れなければならないので、一般の人たちのイマジネーションとはかけ離れたものがあるかもしれない。もしかすると、北京五輪マスコットもすべての人たちに好まれるものではないかもしれないが、われわれ中華民族の特色と人文的な思い入れを具現するものに違いない。

「チャイナネット」 2005年11月16日