APECサミットで討議の重点は何?

 

APEC・アジア太平洋経済協力会議第17回閣僚級会議は15日から16日まで韓国のプサンで行われ、18日から19日まで予定のAPEC非公式首脳会議に向け準備が行われます。今回のサミットが近づくに伴ない、今年APEC非公式首脳会議で討議される重点内容が世界のメディアに注目されてきました。

主催国である韓国によりますと、今年APECは"一つの大家族を目指し、各国が困難に立ち向かい、変革を求める"をテーマとします。期間中、首脳らは二回の全体会議を行います。第一回会議は"貿易自由化のプロセス"をテーマとし、WTO・世界貿易機関のドーハ開発アジェンダ交渉を支持することや、1994年インドネシアのボゴールで行われたAPEC非公式首脳会議で制定した"ボゴール目標"に対して、中間評価をすること、地域貿易の配置及び自由貿易協定について、また経済や技術協力及び貧困撲滅を強化することなどの問題について討議します。第二回会議は"安全かつ透明なアジア太平洋地域"をテーマとしています。首脳らはテロ取締りの協力や、共に伝染病や自然災害に対応すること、エネルギーの安全、腐敗取締りなどの問題について意見を交換します。そして会議が終わる時「プサン宣言」や、WTOのドーハ交渉を推進する特別声明を発表します。

今年のAPEC非公式首脳会議は経済グローバル化と地域協力の背景の下で行われたものです。今回の会議の重点は"ボゴール目標"に対して、中間評価を行ったり、ドーハ交渉で進展の獲得することを推し進めたり、また各方面が鳥インフルエンザの防止や、テロと腐敗の取締り、災害減少における協力を討議したりすることにあります。

"ボゴール目標"ではAPECの貿易と投資の自由化と効率化を実現するスケジュールが提出されました。それによりますと、先進国は2010年までに、発展途上国は2020年までにこの目標を実現することになっています。先進国にとってこの目標の実現までに残された時間は多くありません。しかし、一部の先進国はまだ準備が十分でなく、延期を要求しています。それに対して、発展途上国側は先進国がまず約束を果たすよう要求しました。こういう状況のもとで、アジア太平洋地域の貿易と投資の自由化と効率化を実現する目標が叶えられるか、心配されています。

多国間貿易体制を強化し、地域の貿易障壁をなくすことはAPECの重要な目標の一つです。APECのほとんどのメンバーはWTOの加盟メンバーで、その貿易額は世界の総額の半分近くを占めています。そこで、首脳らは今回の会議でWTOドーハ交渉を支持する強い政治メッセージを出すと共に、ドーハ交渉で実質的な進展を収め、交渉を終了するために、会議が終わる時に特別声明を発表します。

その他、新しい伝染病の防止や深刻な自然災害後の救援活動もAPECの各首脳が注目する問題です。会議は2006年前半ベトナムで鳥インフルエンザ防止に関するAPECの閣僚級会議を開き、同年4月北京で新型伝染病防止のシンポジウムを行うことで一致しました。

「CRI」より 2005/11/16