王毅大使、現在の中日関係について語る(1)

 

中国の王毅駐日大使は24日、日本の外国人記者クラブで記者会見を行い、主に中日関係について話した。各国の駐在報道機関や日本の大手マスコミなどの代表約200人が会見に出席した。王大使と記者との一問一答は次の通り。

――現在、中日関係は多くの問題に直面しているが、中国はこれをどう見るか。

中国は常に、善隣友好の対日政策を実行している。中国の指導者は、「中日共同声明」など3つの政治文書を前提に「平和共存、代々の友好、互恵協力、共同発展」を実現したいという希望を、明確に表明している。だが遺憾なのは、靖国神社参拝をはじめとする歴史認識問題が、両国関係の健全な発展をなお妨げていることだ。

靖国神社問題の核心は、A級戦犯を祭っていることにある。A級戦犯は、当時日本が対外侵略戦争を発動し、指揮したことの象徴であり、国際法廷が認めた戦争犯罪者だ。そしてA級戦犯を祭っている靖国神社は、今でもまだ東京裁判の合法性に挑戦し、A級戦犯は無罪だと公言し、大東亜戦争は自衛によるもので、太平洋戦争は米国などに追い込まれた結果だと公言している。このことから、A級戦犯の問題にいかに対応し、処理するかは、すでに完全に日本の内政ではなくなっており、中日国交回復の政治的基礎や、日本の戦後再建の出発点、そして第2次大戦後に形成された国際秩序などに関わってきている。同時に、この問題は日本と中国の間の問題あるだけでなく、日本とアジアの全ての被害国との間の問題、さらに日本と国際社会の間の問題でもある。

中華民族は寛大だ。第1次大戦後、われわれは拘束した戦犯を釈放し、日本への賠償請求を放棄し、日本の一般市民が神社で自身の親族を祭ることにも異議を唱えなかった。だが、日本の指導者がA級戦犯を祭った神社で「敬意」を示せば、それは中国の国民の感情を深刻に傷つけ、中日国交回復の政治的基礎を損なうことになり、中国側が受け入れがたいことなのは明らかだ。

中国の立場は一貫している。A級戦犯が同神社に祭られていることが明らかになってから、われわれはずっと日本の指導者が参拝することに反対してきた。1986年、日本の内閣官房長官が日本政府を代表して談話を発表し、日本は必ず国際関係を重視し、周辺国の国民の感情に配慮すると強調。総合的な考慮により内閣総理大臣による靖国神社参拝を放棄すると表明した。当時から現在まで約20年が過ぎたが、日本は歴史問題において引き続き前進しなくてはならず、後退してはならない。だが現在の現実を見て問わずにいられないことは、当時の日本政府の立場はまだ有効なのか、ということだ。あるいは、日本はなぜ既存の立場を覆すのか、ということだ。国同士のつきあいで最も重要なことは、やはり約束を守るということだ。

「人民網日本語版」2005年11月25日