期待される中国発の文化製品

 

韓国のテレビドラマ「大長今」が、世界中での韓国文化に対するフィーバーを巻き起こし、このところの韓国の観光業と飲食業の不況に歯止めを掛け、日本のアニメ産業が世界マーケットの62%のシェアを占め、日本の三番目の産業となるなどから見て取れるように、現在、映画、ドラマ、サッカーワールドカップ、五輪などをはじめとするエンターテイメント産業は、なんと堂々と世界経済の支柱産業に数えられるようになっている。最もめざましい発展を遂げている新興産業の一つとして、文化産業は世界経済の全般的な成長スピードを遥かに上回るテンポで急速に発展しており、「21世紀のゴールデン産業」と見られるようになっている。

世界的範囲で繰り広げられている文化産業の激しい競争の中、われわれ中国の立場はそれほど楽観的なものではない。現在、アジアと南太平洋地域が世界マーケットで占めるシェアはわずか19%で、日本の10%と韓国の3.5%のシェアを除けば、中国に残されたシェアはごくわずか。

現在、アメリカ、カナダ、EUなどが、中国の文化市場に大きな関心を示しており、映画、テレビドラマ、DVDなどの分野での進出を加速しているほか、出版業、広告業やスポーツ文化産業に進出する準備もすでに整っている。また、日本と韓国も、中国の映画、テレビドラマ、アニメ、ゲーム機、ひいては華道などの分野でのシェアを狙っている。

中国の文化産業の発展は現在、経済の急速的な発展とは不釣合いといってよいぐらい立ち遅れている。「大長今」や「ちび丸子ちゃん」、ディズニーのアニメに匹敵できるような「メード・イン・チャイナ」の文化製品はまだ数少ない。中国の文化産業は公演、映画・ドラマ、音声・映像業、広告業など在来の業種を主体としており、先進国ですでに盛んに発展を遂げている意匠設計業、アニメ産業、オンラインゲーム業などのデジタル産業は中国ではまだ発足したばかりの段階で、開発能力と技術水準も低いレベルにあり、国際分業では産業チェーンの中・下流に位置している。部門間、業種間、そして地域間に存在している障壁も取り除かれていない。ベンチャー投資・融資システムの改善が待たれており、文化企業は国際市場の要求とルールにも詳しくなく、グローバルな販売ネットも未整備で、その構築の能力も欠如している。

このような厳しい状況に直面している中国の文化産業は、悠久な文化の伝承と豊かな文化資源を生かし、文化戦略の改善をはかり、中国文化のイメージの回復に力を入れなければならない。

「チャイナネット」2005年11月29日