気候変動対応のモントリオール会議、注目される

 

『国連気候変動枠組み条約』の第11回締結国会議が28日からカナダのモントリオールで始まりました。会議期間中、先進国に温室効果ガスの排出削減を義務付けた『京都議定書』が発効してから初めてとなる締結国会議と「第四回気候変動市長会議」も同時開催されています。この一連の会議の開催は、世界各国が気候変動への対応をさらに重要視している表れと言えるでしょう。

『国連気候変動枠組み条約』締結国会議では、気候の変動が人類に与える影響とその対応策、温室効果ガスの排出削減政策や地球温暖化防止の技術開発と供与などについて討議されます。開催期間は、28日から来月の9日までで、190余りの国と地域からの8000人以上がこの会議に出席しています。関係筋によりますと、各国の環境担当の閣僚は最後の3日間の会議に出席し、その国を代表して共に直面している気候問題について、立場と意見を発表するということです。

1994年3月21日に『国連気候変動枠組み条約』が発効して以来、190近くの締結国は、二酸化炭素など温室効果ガスの排出を全面的にコントロールし、地球温暖化が人類の社会や経済に与えた影響に対応するため、様々な努力を払ってきています。年に一回開かれる締結国会議は、各国の意志の疎通と交流の場を提供しています。

この会議は、厳しい情勢の中で開かれています。去年の末から世界各地では、大きな自然災害が頻発し、それによる人類の生命と財産の損失も史上最大となります。去年の末から今年の初めにかけてのインド洋の津波や今年7、8月にアメリカで起きた大型ハリケーン、10月に発生したパキスタン大地震などがあります。

人々は、人間が地球の環境をひどく破壊しているのがその原因ではないかと反省し、環境保護の重要性を認識しています。

ところで、同時に開催されている『京都議定書』締結国会議は、初めての会議として注目を集めています。『京都議定書』は、1997年12月に日本の京都で開かれた『国連気候変動枠組み条約』締結国の第三回会議で採択されたもので、地球温暖化を防止するため、先進国に温室効果ガスの排出削減を義務付けることになっていますが、アメリカ政府は、国内の利益を優先にするということで、参加を拒否しました。結局、議定書が採択されてから8年後、つまり今年2月にアメリカ抜きでようやくこの条約は正式に発効したのです。『京都議定書』では、2008年から2012年までに、すべての先進国の二酸化炭素など6種類の温室効果ガスの全排出量は1990年より5.2%減少させることが決められています。今回の会議では、いかにしてこの目標を達成できるのかについて、討議することになります。

このほか、会議期間中、第四回気候変動市長会議も行われ、各国の市長らは、温室効果ガスの排出削減や環境保護においてそれぞれ提案をします。

世論は、「『国連気候変動枠組み条約』締結国会議はこれまで10回もおこなわれてきたが、現状は決して楽観視できないことだ。世界最大の温室効果ガスの排出国であるアメリカは、今日に至っても『京都議定書』に参加していない。また、一部の先進国は温室効果ガスの排出削減の面で進展がなく、更に一部の先進国は排出削減どころか、増加する一方だ」と指摘し、「今後、気候変動において各国は、文書や規則の制定と話し合いを重要視するだけでなく、京都議定書を履行し、実際の行動に移すべきだ」と強調しています。

「CRI」より 2005/11/29