温家宝総理、「万人のための教育」推進に3提案

 

中国政府と国連教育科学文化機関(ユネスコ)が共同主催する「万人のための教育 第5回ハイレベル会合」が8日、北京で開幕した。温家宝総理はその開幕式であいさつし、世界での「万人のための教育」(EFA)の発展を推し進め、発展途上国の教育事業を支援するために、次の3つの提案をした。

(1)国連の関連機関や国際組織はさらに大きな役割を果たさなければならない。われわれは、ユネスコなどの国連機関やその他の国際組織が引き続き万人のための教育を優先的事業と位置付け、アフリカ、南アジアなどの後発発展途上国により多くの関心を向け、各国や国際社会の各方面と歩調をあわせて、2015年までに「万人のための教育」をめぐる目標(初等教育の完全普及、成人識字率の50%改善などを掲げた「ダカール行動枠組み」の達成)を実現できるよう共に努力しなければならない。

(2)国際協力をより一層強化しなければならない。「万人のための教育」を発展させることは、世界各国の共通認識であり、また、国際社会の構成員全員の共同責任である。多数の発展途上国は、多くの苦難を経験してきた。これら国々の国民や子どもには教育、発展、平和が緊急に必要とされている。先進国は、より大きな義務を負わなければならず、途上国における「万人のための教育」に、無条件の援助を提供しなければならない。同時に、途上国もまた相互援助と協力を強化しなければならない。

(3)文化と教育の発展の多様性を尊重しなければならない。世界各国の経済発展のレベルはそれぞれ異なり、歴史と文化伝統も千差万別であり、これらは各国における「万人のための教育」への道筋や足取りの違いを決定づけている。世界各国が自国の国情と合致した多種多様な「万人のための教育」のモデルを創造し、発展させることを尊重しなければならない。多様性のある教育、文化は我々の世界をより豊かに、かつ多彩にするものである。

「人民網日本語版」2005年11月30日