国交正常化35周年を記念 中日で映画「禅」を共同制作

 

中国電影(映画)合作製片公司と日本の映像国際振興協会は上海国際映画祭の期間中、初の合作映画「禅」を制作する協力趣意書に署名した。年末にクランクインし、来年に世界同時に上映する計画だ。監督を担当するのは、日本の映画人との協力経験が多い大陸の第5世代監督の霍建起氏。経典を取りに中国を訪れた日本の僧侶を描く「禅」は、中日両国の国交正常化35周年を記念するため、両国の文化交流を目的に計画された民間協力による初の映画となる。

「禅」は、中国の高僧・如凈を師と拝して「禅の心」を学ぶ道元が日本に戻った後に「曹洞宗」を開創した物語。当時はまさに激動する鎌倉時代にあたり、武士は互いに覇権を争い、激動で不安に陥った社会情勢に人々は落胆し、個人の欲望をいささかも覆い隠すことはなかった。仏教界も同様に宗派間の争いが絶えず、武力で他派を制圧して自己の勢力拡大を謀る宗派もあった。京都で発展した曹洞宗は数多くの他派から迫害を受け、寺院は焼かれ、道元自身さえもたびたび生命の脅威にさらされた。なんと、中国でともに禅を学んだ亮照も道元を殺害しようとした1人だった。動乱の中、道元は如凈の教えに従って、一貫して座禅の道を歩み続け、人々はここから次第に人の心の強さに気づき、禅も意気消沈した人々の人心の拠りどころ、庶民の心の帰するところのものとなった。

著名な霍監督のほか、日本の著名な美術設計の池谷克也氏もこの映画の撮影に参加する。池谷氏はかつて鈴木清順監督の「夢二」や篠田正浩監督の「瀬戸内少年野球団」、実相寺昭雄監督の「乱歩地獄」など有名な映画作品で美術設計を担当。成熟した風格の持ち主だ。池谷氏と美術設計出身の霍監督の協力も、この映画で人々が最も期待を寄せるところだ。

「チャイナネット」 2007年6月26日