風と月同じ空の下にあり、ともに未来に向かう
―「中日青年招へい事業20周年記念式典」のパネルディスカッション

 

6月30日、中華人民共和国外交部、在中国日本国大使館の支援の下で、中華青年連合会及び日本国際協力機構(JICA)の共催による「中日青年事業招へい20周年記念式典」が北京で盛大裏に開催された。全国青年連合会の張暁蘭副主席、在中国日本国大使館の宮本雄二大使及びJICAアジア二部の海保誠治部長らをはじめ、中日双方の250余人の各界の関係者がこの記念式典に出席した。

記念式典は記念フォーラムと祝賀レセプションからなっており、そのうち、「風と月同じ空の下にあり、ともに未来に向かう」をテーマとし、青年招へい事情の回顧や成果、将来の展望といった視点から活発な議論を進めるパネルディスカッションがこの記念活動のフォーカスとなった。

パネルディスカッションは中央テレビ局チャンネル4の著名なキャスター孫宝印氏が主宰し、「過去と今日―訪日青年の回顧」、「国境を越える家族愛―ホームステーのホストファミリーの方々との再会」、「友好の未来を伝承するー合宿セミナーに参加する青年たち」及び「絶えず発展し変化する「中日青年の友情計画」―新たな変化」など四つの部分からなるもの。このディスカッションの参加者の多くは「中日青年友情計画」の参加者であり、10数年前に帰国したメンバーから前日帰国したばかりのメンバーまで、また全国各地の幅広い分野で活躍している人々が一堂に集い、過去についての回顧から未来の展望まで、各分野にわたる突っ込んだ交流を行った。

     
  日本訪問の感じを述べる90年代初期の訪日青年たち
  張陽さん(右から一人目)のホームステーを振返えっている沖村保範さんご夫妻  

この事業の多くの参加者にとって、日本への訪問は数年前のことであったが、今でもありありと彼らの目の前に浮かんでいる。当時の日本訪問は、彼らの視野を広げることになったばかりか、帰国後の生活や仕事にも深く影響を及ぼすものとなった。例えば、農村事業に注力している四川省農村青年工作部の楊永培部長は訪日の際、日本の農村の近代化の度合い及び農村部住民の環境保全意識の強さに驚嘆し、「科学技術を生かしてこそ、中国の農村を変貌させることができる」と痛感した。

また、「中日青年友情計画」の重要な一環である合宿セミナーに言及すると、人生観や価値観、環境問題、教育問題、結婚相手の条件さえもが両国青年のセミナーの話題となったので、数多くの人は「本当に勉強になった」を言っている。青年教育事業者にとって、合宿セミナーの形そのものは大いに参考になるものであった。たとえば、合宿セミナーの際、中日両国の青年が入り交じって、互いに交流を行い、良好な効果を収めた。中国の青少年のサマーのキャンプの際、「中日青年友情計画」の合宿セミナーに参加したことがある中国の青年教育事業者は各省の青少年と入り交じり、お互いの交流の促進を目指した。同時に、日本の経験を生かし、「青少年減圧センター」を設立したり、「青年のストリートダンスフェスティバル」を催したりして、青少年のプレッシャーの減少に力を入れている。

     
  感動の余り、涙を流した松本さんご夫妻とバイマウェンマオさん
  お母さんの書いた手紙を代読しているバイマウェンマオさん
 

「中日青年友情計画」の訪日行事の中で、団員たちにとって一番印象深かったのは「ホームステー」である。時間が短かったが、訪日の青年たちはホストファミリーと厚い感情で結ばれ、帰国後もずっとつながりを保っており、深い友情を保ち続けている。

今回の記念式典では、4人のホストファミリー代表者を中国に招待した。沖村保範さんと妻の山中綾子さん及び松本健二さんと松本栖子さんのご夫妻である。何年ぶりに自分たちが受けいれた中国人のお客さんと再会することができて、彼らの優しい顔には喜びの表情が表れていた。沖村保範さんと山中綾子さんのご夫妻はパネルディスカッションの場で、自宅でホームステーの際に、ギョウザの作り方を教えてくれた張陽さんと再会した時、その喜びは想像することができるよう。しかし、やはりお客様であっニマゾマさん(チベット族)は仕事の都合で、今回の行事に参加することができず、松本さんご夫妻は失望感を隠せなかった。

ちょうどそのとき、一人の神秘的なお客さんが登場した。ニマゾマさんの娘のバイマウェンマオさんであった。スタジオの舞台に上がると、バイマウェンマオさんは真っ白なハタ二本を松本さんご夫妻に奉げて手渡し、三人はしっかりと抱きあい、感動の余り、涙を流した。お母さんにかわって、バイマウェンマオさんはお母さんの書いた手紙を代読し、お母さんの替わりに松本さんご夫妻に感謝とお詫びの気持ちを表し、自分も日本に行ってみたいという気持ちを表した。それに対して、松本さんご夫妻は「いつでもバイマウェンマオさんを歓迎します」と語った。その深い友情は自然に次ぎの世代に伝わるものなのである。

ディスカッションのまとめを行った倪健部長

最後に、松本さんご夫妻と沖村さんご夫妻は「訪問団の受け入れは引き続きというより、スタートしたばかりといったほうがいい」と語り、このような「人間と人間との幸せな交流」や「国境を越える家族愛」を絶えず続けていきたいものです、という気持ちを表した。

ディスカッションの最後に、中日双方のリーダーは20年来の中日青年交流事業が収めた豊かな成果をしっかりと確認し、双方の関連機構や、日本側のホストファミリーに感謝の意を表した。青年団中央国際連絡部の倪健部長はディスカッションのまとめを行った際、「中日青年友情計画」は中日両国政府と民間交流をともに具現するものであり、これから中日両国はさらなる大規模の交流活動を行い、多分野、多様化及び多層化の交流の促進を目指していきたい、と語った。

「チャイナネット」2007年7月2日