中国企業家の目から見た中日経済協力


中国共産党の第十七回代表大会が15日北京で開幕しました。中国の改革発展の重要な時期に行われる今回の党大会では、向こう5年間、中国の発展方向などを決めますので、世界からの注目を集めています。今回の党大会が定める向こう5年間の方針は中国人民にとって重要な意義があるばかりか、中国と友好関係のある国々にも大きな影響を与えると思います。

経済の分野について、党大会は「対外開放」という基本的な国策を改めて強調しました。第十七回党大会の開幕式で、胡錦涛総書記が行った報告です。胡錦涛総書記は報告の中で、「中国は対外開放の広さと深さを更に拡大し、開放型経済のレベルを向上させる」ことを強調し、「経済のグローバル化の中での国際経済協力や競争において新しい優位性の形成に努力していく」と指摘しました。

ここ数年、中国の経済発展は好調で、国の総合的実力も絶えず高まっています。これは中国にいるわれわれだけではなく、海外にいる華人、華僑も肌で感じとり、誇りに思っているようです。

東京都品川区にある株式会社SJホールディングスは中国人が作った会社です。1989年に設立され、ソフトウェアの開発事業に取り組んでおり、いま、会社には2000人以上の正社員がいます。代表取締役社長の李堅さんは改革開放政策の実施に伴い、1981年日本へ留学し、新世代の華僑となりました。1998年、李堅さんはSJホールディングスのCEOとなり、2003年、東証ジャスダックへの上場を果たしました。中国の経済発展が日本にいる中国人経営者に与える影響について、李さんは次のように語ってくれました。

「ビジネスそのものは双方向的なものですので、日本にいる中国人経営者は中国と日本の橋渡しを行なう経済的な使者とも言えます。企業経営においては、他社と異なり、人にないものを持っているからこそ、競争に勝ち残ることが出来るでしょう。みんなと同じなら、淘汰されると思います。私たち日本にいる中国人経営者にとっては、祖国の資源や発展、中国との関わりが日本の企業と競い合う秘密兵器となり、また投資家の注目を集めるポイントでもあります」

李さんの紹介によりますと、いま、SJホールディングスの業務は中国と日本、それぞれ半分を占めています。営業額の三分の二は日本、三分の一は中国です。また中日間での経済活動によって、両国の相互理解を促すことも李さんの願いでもあります。

「これから、より多くの中国企業が日本に進出して、日本での発展を展開するよう望んでいます。日本には整った投資環境があり、生産技術も優れています。中国企業が日本に進出して事業を発展させることは、きっと多くのチャンスに巡り合えることになると思います」

ビジネスを通じて相互理解を深める、これは海外にいる中国人経営者の共通の願いでしょう。一方、ここ数年、経済のグローバル化と中国経済の急成長に伴い、ますます多くの中国企業が世界進出のテンポを早めています。

本社が北京にあるアジアメディアは2004年7月に設立され、ケーブルテレビ向けの番組コンテンツや広告を経営している民間企業です。2007年4月26日、アジアメディアは新興企業向けの東証マザーズに上場しました。これは東京証券取引所に上場した初めての中国大陸の企業です。アジアメディアの社長崔建平さんは海外留学の経験はない方ですが、いまの中国企業や、中国の企業家について、次のように語りました。

「急速に発展している中国経済は、ますます多くの優秀な企業家を育てています。これまで、中国は発展途上国なので、法体系などが整備されていないなどと一部の海外の投資家から見られていました。しかし、いま、このような状況はずいぶん変わりました。中国企業はますます規範化され、優れた企業経営者がどんどん現れています。私の目から見れば、文化素質やビジネス素養の高い中国人ビジネスマンが増えています。彼らは良好な教育を受け、勉強熱心で、市場ルールに従って冷静に経済活動を展開しています。これはこれからの発展の勢いを示すものでもあるでしょう」

会社設立から東証への上場まで、アジアメディアは3年もかかりませんでした。「新しい企業として、成長のプロセスは勉強の積み重ねだ」と社長の崔建平さんは強調しています。上場して半年、崔さんは日本の投資家が中国株への強い関心を肌で感じました。このような関心が中日経済の活性化を促すと崔さんは思っています。

「投資家が中国の企業に投資したため、中国への注目度が次第に高くなります。また、一般の日本人が中国株を購入したことによって、中国のことに関心や興味を持つようになるでしょう。このような関心は、単なる中国に対する関心ではないと思います。自分のお金を中国の企業に投資したため、真剣に中国の企業や中国の経済情勢を分析する人が多いのです。これは中日経済の活性化を促し、われわれ中国企業にとってはとても好ましいことだと思います。これから、中国の企業、中国の企業家が世界経済で果たす役割や影響力はますます大きくなると思います」

投資家にとって、企業の将来性、成長性は何より大切なものですね。例え名の知られてない小さな企業でも、市場ルールに従ってタイミングよくビジネスチャンスを活かし、持続的な成長を続ければ、いつかきっと世界進出の夢を果たすことが出来るでしょう。世界進出を果たす中国の企業はこれからどんどん増えるでしょう。中国経済がアジアないし世界経済に与える影響力はますます大きくなるに違いありません。

「中国国際放送局 日本語部」より2007年10月26日