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林毅夫委員、近い将来の人民元切り上げ、可能性は低いと発言


 最近、人民元の切り上げ問題が国内外で注目を浴びている。この問題は、第10期全国政協第2回会議でも、委員たちの話題となった。これに対し、経済学者の林毅夫委員は、近い将来に人民元が切り上げられる可能性は低いと述べた。

 同委員は、次のように考えを述べた。

 現在の中国経済の発展速度は非常に速い。長い目で見れば、中国の労働力コストが低く、消費市場の潜在力が大きく、引き続き外国資本が中国に大量に流入し続けるために、中国の国際収支の黒字は、さらに増加することになる。韓国や日本の例を参考にすると、二、三十年の経済成長の後、その国の通貨は必ず価値が上がる。このことから、人民元の切り上げの可能性がないとは言えない。

 しかし、近い将来の人民元切り上げの可能性は高くはない。これは、中国の具体的な情勢によるものだ。中国経済の発展の情勢から見れば、現在の中国の商品物価指数は依然としてマイナスである。これは、市場の需要がいまだに相対的には不足していて、デフレに陥る恐れがある表れである。そのため、引き続き人民元の安定を保つこと、それに輸出を促進し、外需を拡大することを通して、経済成長を維持することができる。

 しかも、人民元には投機圧力もある。仮に今すぐに人民元の為替レートを調整すれば、投機者はさらなる切り上げを予測し、人民元の過度な切り上げを覚悟しなければならなくなる。これは、中国のマクロ経済の安定にマイナス影響を与える。(本誌記者・張春侠)

                    人民中国インターネット版 2004/3/5